1992 Fiscal Year Annual Research Report
膵ラ島由来、CD4陽性T細胞を用いた膵β細胞特異反応性T細胞ハイブリドーマの作製
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04671480
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
天野 和彦 神戸大学, 医学部, 助手 (20231988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横野 浩一 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (50144580)
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Keywords | インスリン依存型糖尿病 / NODマウス / 膵ラ島反応性CD4陽性T細胞 / T細胞ハイブリドーマ / 接着分子 |
Research Abstract |
ヒトI型糖尿病の重要なモデル動物であるNODマウスにおいて、T細胞を中心とする細胞性免疫、なかでもCD4陽性T細胞がその膵ラ島抗原を認識することが必要不可欠であることはよく知られ、またこれらの細胞が認識している抗原の同定が急がれている。そこで我々は膵ラ島に浸潤しているリンパ球の中に膵β細胞特異的なものがより多く存在していることに注目して、まず膵ラ島をコラゲナーゼ法にて単離後、浸潤リンパ球をIL-2にて増殖をはかりBW5147(TCR-Vα陰性,Vβ陰性)と細胞融合することに成功し、そのクローニングを現在行っているところである。一方、膵β細胞特異的T細胞クローンを確立し、これらのクローンが認識する膵β細胞抗原を同定するため、NODマウスと同じ形質をもつインスリノーマ細胞(MIN6)をSDS-PAGEより抽出、もしくはFPLCにて分画したもの、またはラットの脳から精製抽出したGAD等を抗原に用いて抗原の同定を行っている。同時に、これらのクローンを用いて細胞融合することによりもっと安定し、多施設でも再現可能なハイブリドーマを作成中である。細胞間接着分子に関しては、予備実験によりICAM-1及び、LFA-1のα鎖に対する単一抗体によるこれらの分子の低発現がNODマウス糖尿病・膵ラ島炎の完全な予防につながることより考察して、エレクトロフォレーションを用いてこれら接着分子のハイブリドーマ上での発現が、膵ラ島細胞への反応性を高め、抗原のより安定した同定を行える可能性があることより、現在この実験を行っているところである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 天野 和彦: "糖尿病の成因と病態" 現代医療. 24. 111-117 (1992)
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[Publications] 天野 和彦: "IDDMにおける標的膵ラ島細胞抗原" プラクティス. 9. 485-486 (1992)
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[Publications] 天野 和彦: "IDDMにおける病因論-浸潤リンパ球のCell-Cell interactionにおける新知見-" プラクティス. 10. 11-12 (1993)