1994 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症における細胞外基質異常の分子生物学的アプローチ
Project/Area Number |
04671481
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
槇野 博文 岡山大学, 医学部, 助教授 (50165685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 賢一 岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
柏原 直樹 岡山大学, 医学部・付属病院, 助手 (10233701)
池田 修二 岡山大学, 医学部・付属病院, 助手 (10212771)
二宮 善文 岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
|
Keywords | 糖尿病 / 細胞外基質 / 腎臓 / 糸球体 / IV型コラーゲン / 遺伝子 / 成長因子 / 形質交換 |
Research Abstract |
糖尿病動物モデルにおける成長因子、マトリックスメタロプロテアーゼの遺伝子発現の検討を行った。ストレプトゾトシン(STZ)を静注して作製した糖尿病ラットの腎組織を用いて、IGF-1、IGF-1レセプター及びMMP3のオリゴヌクレオチドプローベによるin situ hybridyzationを行い、腎組織内におけるこれらの遺伝子発現を検討した。糖尿病ラットではSTZ投与後早期より糸球体肥大を認めた。糖尿病ラットの腎組織におけるIGF-1 mRNAの発現はコントロールと差を認めなかったが、糖尿病ラットの糸球体内のIGF-1レセプターのmRNAの発現はコントロールと比較して増加していた。これらの結果より糖尿病性腎症における糸球体肥大にIGF-1が関与していることが明らかにされた。また糖尿病ラットの糸球体において、MMP3のmRNAの発現の増加を認めた。糖尿病性腎症のメサンギウム基質には正常に存在するIV型コラーゲンのみならず間質型のIII型・V型コラーゲンが増加している。これらコラーゲンの変化にはメサンギウム細胞の形質変換が関与していると考えられている。そこで細胞骨格蛋白を指標にしてin vivoにおいてメサンギウム細胞の形質変換をヒト及びストレプトゾトシン糖尿病ラットにおいて検討した。ミオシン重鎖アイソフォームSMembとカルデスモンの発現をメサンギウム細胞を認めた。糖尿病ラットにおいて早期よりSMembの発現を認めた。メサンギウム細胞形質変換が糖尿病性腎症における糸球体肥大と糸球体硬化に関与していると考えられた。
|
-
[Publications] H.Makino,et al: "Localization of Fibril/Microfibril and Basement Membrane Collagens in Diabetic Glomerulosclerosis in Type2 Diabetes" Diabetic Medicine. 11. 304-311 (1994)
-
[Publications] H.Makino,et al: "Immunoreactivity of the JK-132 Monoclonal Antibody Directed against Basement Membrane Collagen in Normal and Diabetic Glomerali" Virchows Archiv. 424. 235-241 (1994)
-
[Publications] 槇野博史: "分子レベルでみた糸球体の肥大と硬化-メサンギウム細胞" 腎と透析. 37. 679-684 (1994)
-
[Publications] 槇野博史・杉本光: "成長因子と糖尿病性腎症" 医学のあゆみ. 171. 575-579 (1994)