1993 Fiscal Year Annual Research Report
酵素免疫測定法を用いた視床下部ホルモンの超高感度測定法の開発と臨床応用
Project/Area Number |
04671485
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東 博之 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10241275)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 敏信 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50156080)
新谷 保実 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10235773)
横越 浩 徳島大学, 医学部, 助手 (00253203)
|
Keywords | Growth hormone-releasing hormoe / Somatostatin / 酵素免疫測定法 / 超高感度 / アビジン / ビオチン / Sandwich assay |
Research Abstract |
平成4年度に確立した視床下部ホルモン(somatostatin、SRIF;growth hormone-releasing hormone、GHRH)の酵素免疫測定法(EIA)の感度をさらに向上させた。EIAの開発の際、非特異的な反応にともなうo-phenylenediamine(OPD)の発色が強かったが、抗原抗体反応に際しての正常ヤギ血清(10%)の添加と非特異反応が少ない抗血清の使用により、非特異的なOPDによる発色を抑えることができた。 この改善したEIA系で検討した結果、SRIFのEIAの測定感度は6.1pg/ml(0.61pg/tube)で、既報のラジオイムノアッセイ(RIA)系と同等かそれ以上の感度を得ることができた。また1,000pg/mlまでの範囲で用量反応相関性が得られた。一方、GHRHのEIAでは測定感度は50pg/ml(5.0pg/tube)で、既報のRIA系とほぼ同等の感度であった。また10,000pg/mlまでの範囲で用量反応相関性が得られた。この高感度EIAを利用して正常人の血漿SRIFとGHRH濃度を測定した。血漿の抽出にはSep-Pak C-18カートリッジを用い、抽出率はそれぞれ平均83%と87%で良好であった。血漿SRIF濃度は15±6.4pg/ml、血漿GHRH濃度は27±9.7pg/ml(mean±SD)であり、従来の報告値とほぼ同じ値を示した。 サンドイッチ法による低分子ペプチドホルモンのEIAは困難とされてきたこと、SRIFとEIAとしては初めての報告であることから、この測定系の開発の意義は大きいと考えられる。ただ、最初に目標としたほどの感度の向上は得られなかった。このため、将来的にはOPDによる発色系の代わりに、蛍光による発色系(Excitation:320nm,Emission:405nm)を用い、測定感度を良くする方法を考えたい。また、検体中のビオチン化ペプチドを、特異抗体吸着(固相化)ポリスチレンボールと結合させたのち解離させる方法を試み、非特異的反応を少なくすることも検討した。しかし、現時点では両者間の結合に問題があるため、この結合条件をよくする方法について検討中である。この測定系の感度をさらに高めることができれば、我々の確立した脳内微小透析法の研究に役立ち、視床下部・下垂体の生理と病態生理の研究に貢献すると考えられる。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Tsuchihashi T.,Saito S.: "Production of immunoreareactive corticotropin-releasing hormone in various neuroendocrine tumors" Jpn J Clin Oncol. 22. 232-237 (1992)
-
[Publications] Takahashi H.,Bando H.,Saito S.: "Mechanism of impaired growth hormone secretion in patients with Cushing's disease" Acta Endocrinol. 127. 13-17 (1992)
-
[Publications] 岡内泰弘、高橋秀夫、新谷保実、板東浩、斎藤史郎: "ラット視床下部におけるThyrotropin-Releasing Hormone(TRH)の分泌動態-脳内微小透析法による検討" 日内分泌会誌(抄録). 69. 727 (1993)
-
[Publications] Takahashi H.,Bando H.,Saito S.: "Study on regulatory mechanism of somatostatin release in the rat using brain microdialysis technique" Ninth International Congress of Endocrinology(Abstr). 301 (1992)
-
[Publications] Takahashi H.,Bando H.,Saito S.: "Measurement of somatostatin release in the rat brain by microdialysis" J Neurosci Method. 9 (in press). (1994)
-
[Publications] 高橋秀夫、斎藤史郎: "脳内微小透析法による神経ペプチドの解析" 日内分泌会誌. 70 (印刷中). (1994)
-
[Publications] 板東浩、高橋秀夫、新谷保実、斎藤史郎: "研究年報 Annual Research Reports 16" 財団法人 成長科学協会, 401-410 (1992)