1993 Fiscal Year Annual Research Report
抗凝固活性を持つ血管内皮細胞由来ヘパラン硫酸プロテオグリカンの分子病理学的解析
Project/Area Number |
04671519
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高松 純樹 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80221365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹尾 高明 名古屋大学, 医学部, 医員
谷本 光音 名古屋大学, 医学部, 助手 (10240805)
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Keywords | ヘパラン硫酸 / プロテオグリカン / Ryudocan / cDNA / 遺伝子座 |
Research Abstract |
我々は、抗凝固活性をもつ血管内皮ヘパラン硫酸(Ryudocan)コア蛋白のラットcDNA塩基配列をもとに本分子のヒトcDNAプローブをPCRにて作製し、ヒト臍帯静脈内皮細胞cDNAライブラリーより全長ヒトRyudocan cDNAのクローニングに成功した。また、ヒトにおける本分子発現の各種細胞および組織特異性を検討し、Ryudocanのヒト染色体遺伝子座の同定を試みた。クローニングされたヒトRyudocan cDNAは、全長2610bpでラット分子と67.0%の相同性を示した。198アミノ酸残基から成るヒトRyudocanはラット分子とアミノ酸のレベルで79.3%の相同性をもち、その細胞外ドメインに4ケ所のヘパラン糖鎖の付着予想部位であるSG配列を認めた。また、各種組織のRNAを用いたNorthern blot analysisではヒトRyudocanのmain mRNAは2.7kbの大きさをもち、肺、肝臓、骨格筋、および腎臓に比較的よく発現されていた。さらに、1.9kbのminor mRNA signalも肺、骨格筋などで認められ、精査の結果これはposition 1806でのalternative polyadenylationに起因するものであることが判明した。そして、Fluorescence in situ hybridization(FISH)法による遺伝子座検索の結果、ヒトRyudocan遺伝子はヒト染色体20q12にmappingされた。現在、cDNAのコードするアミノ酸配列情報をもとにヒトRyudocan分子に対する特異抗体を作製中で、これを正常各組織および各種血管病変での組織免疫学的な本分子存在様式の検討に用い、さらにヒトRyudocan血中濃度の測定法確立にも用い、各種血管障害時での本分子の動態とその病態との関連の解析に応用するなど、様々な内皮細胞機能におけるRyudocan分子の役割解析を進めて行く予定である。
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