1992 Fiscal Year Annual Research Report
JunB遺伝子発現に至るIL-6シグナル伝達機構の解明
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04671525
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中嶋 弘一 大阪大学, 医学部, 助教授 (00227787)
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Keywords | インターロイキン6 / シグナル伝達 / junB / 転写活性化 / プロモーター / IL-6応答領域 / ETSファミリー / CREB / ATFファミリー |
Research Abstract |
多彩な作用をもつIL-6の作用機序解明のため、IL-6によりかなり選択的に活性化されるjunB遺伝子の転写を活性化するIL-6シグナル伝達路を明らかにしつつある。肝細胞株を用いて、junB遺伝子プロモーター上のIL-6応答領域(JRE-IL6)が-149〜ー125bpにありETSファミリー結合部位(EBS,5'GCTTCCTG3)及びCRE類似配列 (5'GTGACGCGA3')を含むことを見いだした。junBプロモーターのIL-6による活性化には、両者の部位が必須であることから、EBS結合性蛋白とCRE類似部位結合性蛋白(恐らくCREB/ATFファミリー)との協調作用が必須であると考えられた。EBS結合性蛋白はMSV-LTR,HTLVI-LTRなどのEBSにもよく結合すること、メチル化干渉法の結果GGAAのうちGGを直接認識することから、ETSファミリーあるいは、それに類似した蛋白であると考えられた。実際ETSファミリーに属するGABPαはin vitroでJRE-IL6に結合でき、Ets-2がJRE-IL6をin vivoで活性化することを示した。増殖因子シグナル、Ras、Raf、PKCなどにより活性化されるPEA3-AP1の組み合せとは異なり、JRE-IL6を活性化するIL-6シグナル伝達路には、Ras、Raf、NF-IL6の関与がなく、PKC、PKA、Ca/CM依存性キナーゼとは異なる阻害剤H7に感受性のあるキナーゼが関与していることを明らかにした。さらにCRE類似部位がTGACGのみを含む非対称なCREであることがIL-6に対する反応性を増加させる一因となることを示した。最近EBSに結合しうる新規ETSファミリー遺伝子をクローニングし、IL-6シグナルとの関わりを検討している。JRE-IL6に作用しIL-6シグナルを受ける転写因子郡を同定することが極めて重要である。
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[Publications] Nakajima,K.et al: "Identification of a novel interleukin-6 response element containing of an Ets-binding site and a CRE-like site in the junB promoter." Mol.Cell.Biol.(1993)
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[Publications] Oritani,K.et al: "Retinoic acid inhibits interleukin 6-induced macrophage differentiation and apoptosis in a murine hematopoietic cell line,Y6." Blood. 80. 2298-2305 (1992)