1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト線維芽細胞における自己刺激によるGM-SCFの産生
Project/Area Number |
04671542
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
明石 真言 放射線医学総合研究所, 重粒子治療センター・障害・臨床研究部, 室長 (10222514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂谷 みさを 放射線医学総合研究所, 重粒子治療センター・障害・臨床研究部, 研究員 (00198756)
川瀬 淑子 放射線医学総合研究所, 重粒子治療センター・障害・臨床研究部, 主任研究官 (20161325)
鈴木 元 放射線医学総合研究所, 重粒子治療センター・障害・臨床研究部, 室長 (00179201)
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Keywords | ヒト線維芽細胞 / GM-CSF / autocrine / RNA / 恒常性発現 |
Research Abstract |
ヒト線維芽細胞はT-リンパ球と異なり、無刺激状態でも低レベルながら顆粒球・単球コロニー刺激因子(GM-CSF RNA)を転写している。当該研究者は無刺激状態の培養ヒト線維芽細胞のGM-CSF RNAの発現を観察した際、細胞の状態により発現されるRNAの量が異なる事を見出した。これらの細胞では培養上清に、自己に働いてGM-CSF RNAのaccumulationを増加させる因子が存在する。この事は正常細胞の自己刺激機構(autocrineもしくはparacrine system)の可能性を示唆している。正常細胞ではほとんど報告のない、GM-CSFを中心としたサイトカインの無刺激状態における自己制御機序を明らかにする事を目的とし、新しい刺激因子の可能性を探った。 GM-CSF RNAのconstitutiveなexpressionに対する抗IL-1抗体の影響 細胞をPBSにて洗った後、無血清の状態で培養上清中のIL-1を充分中和できる量(100u/ml)の抗IL-1alphaもしくはbeta抗体を添加し4時間培養し、GM-CSF RNAのaccumulationを見た。今年度は新たに供与された抗IL-1beta、alpha抗体を用いた。共にGM-CSF RNAのconstitutiveexpressionを減少させ、抗IL-1beta抗体は、alpha抗体より強く抑制した。 放射線によるGM-CSFとManganese superoxide dysmutase (MnSOD)遺伝子発現におけるIL-1の役割 WI38線維芽細胞は放射線照射に対して、線量依存性にGM-CSFmRNA、GM-CSF蛋白質は増加した。また抗IL-1抗体存在下においてもGM-CSFmRNAは増加したが、constitutiveな発現量を越えなかった。同様なことがMnSOD遺伝子の発現にも認められた。 上記の結果は、抗体では中和出来ないIL-1loopが存在し、照射などの外因的な刺激に対して充分量の抗IL-1抗体も中和することが出来ず、approach方法の限界である。またIL-1抗体により、かなりのGM-CSF mRNA発現がおさえられたことからこのautocrine loopにはIL-1がかなりの割合を占めることが明らかになった。培養上清のみならず細胞のlysateに関しても分画をする必要がある。この細胞からの抽出物に関しても、活性を失わないシステムを早期に確立する事が急務である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akashi M,etal: "Role number and location of AUUUA sequences for stabilization" Blood. in press. (1994)
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[Publications] Hayashi O,Akashi M,etal: "Detection of interleukin-1 activity in human Bladder cancer cell lines" J.Urol. 151. (1994)
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[Publications] Uzawa R,Akashi M,etal: "Radiosensitivity of CD45RO+naive cells in culture." Radiat Res.137. 25-33 (1994)
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[Publications] Kawase Y,Akashi M,etal: "Effect of recombinant granulocyte colony-stimulating factor on induction of myeloid leakomias by X-irradiation" Blood. 82. 2163-2168 (1993)
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[Publications] Akashi M,etal: "Irradiation increases levels of GM-CSF through RNA stabilization which requires an AU-rich region in cancer cells." Biochem Biophys Res Commun. 189. 986-993 (1992)
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[Publications] Akashi M,etal: "Colony stimulating factors regulation of production" Proceeding of Modern Tends in Human Leukemia. 35. 79-90 (1992)