1994 Fiscal Year Annual Research Report
境界プラズマ研究のための原子分子データ及びプラズマ壁相互作用データの評価と処理
Project/Area Number |
04680019
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Research Institution | NATIONAL INSTITUE FOR FUSION SCIENCE (NIFS) |
Principal Investigator |
川村 孝弌 核融合科学研究所, 研究・企画情報センター, 教授 (70023710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆子 核融合科学研究所, 研究・企画情報センター, 助教授 (20115546)
俵 博之 核融合科学研究所, 研究・企画情報センター, 助教授 (90037797)
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Keywords | 境界プラズマ / 原子分子データ / プラズマ壁相互作用データ |
Research Abstract |
当年度は、この研究計画の最終年度に当るため、境界プラズマ研究のために必要なデータの処理についての研究をまとめた。境界プラズマ中での原子分子過程及びプラズマ壁相互作用データは、エネルギーの特定の値についてその断面積やスパッタリング率などの実験値や理論計算値が収集されているが、プラズマ中の電子やイオンは、境界プラズマの温度からきまる分布をもっているので、これらの収集した個々のデータを用いて、広いエネルギー範囲についての断面積のエネルギー依存性σ(E)を決定して、これに衝突の相対速度Vを掛け、分布関数で平均した反応率係数〈σV〉が必要である。σ(E)は収集されたデータにフィットさせる半経験式として評価されており、境界プラズマ中での諸過程についてこれらの半経験式の調査を行った。またスパッタリング率については、境界プラズマが、当るダイバータ板の損耗を正しく評価するには、スパッタリング率Yの、入射粒子のエネルギーと入射角に関する平均値が必要である。しかし従来のデータは単一エネルギーの垂直入射の場合が殆んどであるため、我々はスパッタリング・シミュレーションコードACATを用いて、温度Tの境界プラズマが接した場合のスパッタリング率Y(T)を、入射粒子のエネルギーと入射角を分布関数に基いた乱数で与えることにより平均値を計算し、結果を表す関数として6個のパラメータを含む半経験式Y(T,Q_1,〜Q_2)に対して、計算したデータをフィットさせることによって、スパッタリング率の境界プラズマ温度依存性を表す式を得ることができた。フィッティングによるデータの再現性も良好で、境界プラズマの諸パラメータや粒子種に対する係数Q_iの依存性も合理的な結果が得られた。
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[Publications] T.Kawamura,T.Ono,Y.Yamamura: "Simulation Calculation of Physical Sputtering and Reflection Coefficient of Plasma-Irradiated Carbon Surface,NIFS-DATA-22" National Institute for Fusion Science, 11 (1994)