1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680053
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
奥山 健二 東京農工大学, 工学部, 教授 (30038020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 政嗣 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10136525)
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Keywords | 二分子膜 / 自己組織化 / 両親媒性化合物 / 二次元結晶 / キャスト膜 / 単結晶 / X線構造解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、結晶化の要因が主として分子の親水性、疎水性を利用した自己組織化だけであると見なせる両親媒性化合物と云う単純な系に焦点を絞り、自己組織化における会合ルールや基本的な会合原理を明らかにしようとするものである。両親媒性化合物は水中で自発的に組織化して二分子膜を形成する。この二分子膜は濃縮により、二分子膜構造を保ったまま、多重層二分子膜であるキャスト膜あるいは単結晶となることができる。その際、二分子膜中での分子会合状態は単結晶でもキャスト膜でも同じであり、単結晶の得られない場合でもキャスト膜の解析により、かなり詳細な構造情報が得られると云う特徴を持っている。 我々はすでに両親媒性化合物CnAzoCmN^+Br^-がアルキル鎖長(m,n)に依存して、m-n≧2でH-型結晶、m=5でJ-型結晶となることを明らかにしてきた。また、これらの化合物は加熱により転移してJ^1-型になることを吸収スペクトルの観測から予測していた。今回、全ての化合物におけるJ^1-型構造のX線回線回折をイージングプレートにより行なった。その結果、転移後の二分子膜厚は室温での構造とは無関係であり、アルキル鎖長(m+n)だけに依存していることが明らかになった。また、各試料におけるX線強度分布も類似しているので、二分子膜内の構造も同一であることが判明し、分光学からの予測を確認することができた。アルキル鎖長の単位長さ当たりの二分子膜厚の増加量は、J-型結晶における量と同じであり、アルキル鎖に二分子膜中での傾きは、J-型結晶中での傾きと同じであることがわかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Okuyama: "Crystal Structures of Hーaggregate of Azobenzeneーcontaining Amphiphiles,C_6AzoC_8N^+Br^- and C_8AzoC_<10>N^-Br^-" Mol.Cryst.Liq.Cryst.Sci.Technol.213. 105-115 (1992)
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[Publications] K.Okuyama: "HeatーInduced Structural Changes of Multibilayer Films of Benzylideneanilineー and SalichilideneanilineーContaining Ammonium Amphiphiles" Chem.Letters. 1993. 295-298 (1993)
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[Publications] K.Okuyama: "Oddーeven Effect on Bilayer Structures of C_nAzoC_mN^+Br^-" Mol.Cryst.Liq.Cryst.,. (1993)
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[Publications] M.Shimomura: "Molecular Design of Artificial Photosynthesis Based on Synthetic Bilayer Membranes" Trans.Mater.Res.Soc.Jap.10. 77-80 (1992)
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[Publications] M.Shimomura: "Effect of Thermal Treatment on Crystal Growth of the Surface Monolayer" Thin Solid Films. 210/211. 98-100 (1992)
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[Publications] M.Shimomura: "Electrochemistry of Viologenーcontaining LangmuirーBlodgett Film Prepared by Polyion Complex Technique" Thin Solid Films. 210/211. 375-377 (1992)
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[Publications] 奥山 健二: "合成二分子膜の結晶構造「分子性結晶の反応」大橋裕二編" リアライズ社, 342 (1992)
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[Publications] K.Okuyama: "Structural Diversity of BilayerーForming Synthetic Lipids,C _n AzoC_mN+Br-,in “New Functionality Materials"ed.by T.Tsuruta,M.Seno and M.Doyama" Elsevier Science Publishers B.V., (1993)