1993 Fiscal Year Annual Research Report
アルコキシド法によるペロブスカイト鉛マグネシウムニオベイトの作製と電気的性質
Project/Area Number |
04680058
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣田 健 同志社大学, 工学部, 助教授 (30238414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 修 同志社大学, 工学部, 教授 (40097861)
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Keywords | アルコキシド / ペロブスカイト / 鉛 / マグネシウム / ニオブ |
Research Abstract |
室温近傍で高誘電率を得るため,0.9Pb(Mg_<1/3>Nb_</3>)O_3-0.1PbTiO_3(0.9PMN-0.1PT)組成のペロブスカイト鉛マグネシウムニオベイト-チタン酸鉛の固溶体について,アルコキシド法による粉体合成とその粉体を用いて焼結体の作製をおこなった.出発物質は酢酸鉛Pb(CH_3COO)_2・3H_2O,マグネシウムメトキシドMg(OCH_3)_2,ニオビウムイソプロポキシドNb(OC_3H_7)_5,チタニウムイソプロポキシドTi(OC_3H_7)_4を用い,さらに溶液の安定化のためアセチルアセトンCH_3COCH_2COCH_3を添加した.これらの出発物質をエタノールに溶かした後,加熱還流により均一溶液を調製し,室温にて多量の水を添加して加水分解しゲルを作製した.十分乾燥したゲルを粉砕し原料粉体とした. 原料粉体の示差熱分析,熱重量分析を行った.原料粉体と熱分析の結果に基づいて各種温度で加熱して得られた試料の相の同定をX線回折により行った.その結果,原料粉体は非晶質であり,加熱すると約600℃で立方晶パイロクロア相が結晶化し,さらに約780℃でペロブスカイト単一相になることがわかった.原料粉体を780℃で2h仮焼した後,約5重量%の水をバインダーとして添加し,196MPaの圧力で金型成形した.成形体を1000°,1100°,1200°,1250℃で3h焼結した.なお1290℃以上で焼結すると均一な微細構造が得られないと従来報告されている.焼結温度の上昇とともに焼結体の相対密度は92から98%まで増加し,結晶粒径は1から6mumになることが走査型電子顕微鏡により観察された.室温にて測定した誘電率は焼結温度の上昇とともに向上し,測定周波数1kHzで7000から25000に増加した.
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