1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680064
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渋川 祥子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80017996)
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Keywords | 赤外線 / ヒーターの波長特性 / 遠赤外線ヒーター / ハロゲンヒーター / 食品表面 |
Research Abstract |
1.食品加熱における放射伝熱の有効性についての検討。 全伝熱量に占める放射伝熱量が異なり、金属ブロックに対する伝熱量は同じであるような加熱条件で食品(ケーキ、クッキー)を内部温度が同じになるまで加熱した場合の加熱所要時間、食品表面の着色、水分蒸発量を測定した結果、加熱所要時間は理論値とほぼ一致するが、表面の焼き色は放射伝熱量の割合が大きいほど濃くなることが明らかとなった。この事から、赤外線加熱は対流伝熱より食品表面の焼き色の形成に有効であることが明らかとなった。 2.食品加熱における波長の影響。 波長特性の異なるヒーターを使用して食品(パン、魚、クッキー)を加熱した場合、放射温度計で測定した表面温度、水分蒸発量、表面の着色状態には差が生じ、放射伝熱の波長特性が食品の焼け具合に影響することが明らかとなった。放射波長の長い遠赤外線ヒーターでは、表面の温度上昇が早く、表面温度が高く着色し易く、波長の短いハロゲンヒータでは、表面温度は低く、着色しにくく、表面のクラストが厚くなることが明らかになった。 3.食品表面の放射率の測定。 食品表面の放射率を明らかにするため、黒色塗装した金属と食品の受熱量の差から放射率を求めようと試みたが、表面からの水分の蒸発および食品内での水分の移動、成分の変性などが同時に起こるため正確に計算できなかった。また、分光光度計によって乾燥させたクッキーの表面の放射率の測定を行った結果、0.7〜0.9の値を得た。 4.食品の表面近傍での赤外線の浸透度の測定。 赤外線加熱が食品表面の着色に有効である理由の一つは、赤外線の食品内への浸透によるものであろうと考えられるので、食品の表面付近の温度分布を細かく測定するための装置を試作した。今後この測定装置を利用して測定を行い浸透度の推定の実験を行う計画である。
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