1992 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性を付与したパンティーストッキングの消費科学的研究
Project/Area Number |
04680065
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
諸岡 晴美 富山大学, 教育学部, 助教授 (40200464)
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Keywords | パンティストッキング / 高機能性 / 消費性能 / 熱損失量 / 水分率 / 加工 |
Research Abstract |
本研究は,高機能性PSを開発するための設計指針を得ることを目的として,吸汗・吸湿加工ならびに保温加工など温熱特性を向上させたとする市販の各種加工パンティストッキング(以下,PSとする)の消費性能を明らかにした。以下に,本年度の研究成果の概要を示す。 1.市販の未加工PS28種類のdry heat loss,wet heat loss,水分率,透湿性,通気抵抗等の消費性能を測定し,その範囲を明らかにした。 2.市販の吸汗・吸湿加工(夏用加工)PS11種類および保温加工(冬用加工)PSの消費性能を未加工PSの平均値Xと標準偏差σで規格化することにより評価した。 3.夏用PS11種類の平均値は,wet heat lossおよび水分率が+0.5σの高い値を示した。また個々にみると,加工PSの中で3種についてのみdry heat lossあるいは水分率が+2σ以上増加していた。しかし,未加工となんら変化のなもの,逆に夏用としては性能低下しているとみられるものもあり,市販加工PSの現状を把握した。 4.冬用PSでは,最外層をシルクでカバリングしたPSについては,水分率およびwet heat lossの増大が認められたが,シルクアミノ酸でコーティングしたPSについては,未加工との相違はみられなかった。 6.また,現在まだ試作段階にあるウール加工,キトサン加工,スクワラン加工およびニンニクエキス加工などについても検討した。 7.結論として,本研究で用いたPSの範囲内では,ナイロン糸を吸湿性維繊に換えたもの,あるいは維繊ら吸湿性を付与するための改質加工を行ったものでは,未加工との比較的大きな性能の相違がみられたが,表面処理したものでは未加工との相違はほとんどみられなかった。 8.なお現在は,性能が向上していると思われたPSについて着用実験を行い,着用性能への影響を検討している。
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