1993 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性を付与したパンティストッキングの消費科学的研究
Project/Area Number |
04680065
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
諸岡 晴美 富山大学, 教育学部, 助教授 (40200464)
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Keywords | 高機能性 / パンティストッキング / サポートパンティストッキング / 温熱特性 / 皮膚血流量 / 着用性能 / 下肢部寸法 / 摩擦特性 |
Research Abstract |
本研究では,高機能性を付与したパンティストッキング(PS)の開発は今後どのようにあるべきかを検討することを目的として,健康で快適なPSのための以下のような設計指針を得ることができた。 1)高機能性を付与したとされる市販PSならびに試作段階にあるPSを収集して,それらの熱・水分・空気の移動特性を測定する一方,市販の無加工PSと比較してどの程度性能が向上しているかを明らかにした。 2)前項の研究成果を基に,望ましい特性をもつと思われる高機能性PSを数点抽出して,人体着用実験を行った。その結果,夏用PSにおいても冬用PSにおいても,後加工よりも繊維そのものの改質,特に水分率を大きくする加工が有用であることがわかった。 3)サポートPSが下肢部シルエットとむくみに与える影響を検討した。その結果,サポート力の大きいものほど大腿部での寸法が減少するが,下腿最小部分での寸法が逆に増加すること,また,長時間立位作業者のむくみに対しては,圧の強いものほど効果があることなどがわかった。 4)下肢部の局所的な圧迫が,皮膚血流量に及ぼす影響について検討を行い,サポートPSの下肢各部でのサポート力の程度を明らかにすることができた。 5)PS表面と皮膚表面との真実接触面の形態を捉え,接触点の総数や分布,真実接触面積,真実接触圧がPSのタイプにより大きく異なることが明らかとなった。 6)PSの肌触りおよびすべりについて,そのの主観評価とPSがもつべき力学的特性の範囲を明らかにした。 以上の成果により,本研究課題の目標は充分に達成しえたと考えられる。
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[Publications] 諸岡英雄: "皮膚障害を受けやすい人からみたパンティストッキングの肌触り" 繊維製品消費科学会誌. 第34巻. 540-547 (1993)
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[Publications] 諸岡晴美: "高機能性を付与したパンティストッキングの熱・水分・空気の移動特性" 繊維製品消費科学会誌. (発表予定).
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[Publications] 諸岡晴美: "高機能性を付与したパンティストッキングの着用性能" 繊維製品消費科学会誌. (発表予定).
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[Publications] 諸岡晴美: "Effects of Support pantyhose on Silhouette and Swell of Lower limbs" 繊維製品消費科学会誌. (発表予定).
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[Publications] 諸岡晴美: "下肢部の局所的圧迫が皮膚血流量に及ぼす影響" 繊維製品消費科学会誌. (発表予定).
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[Publications] 瀬戸致子: "Morphology of Cloth Surfaces of Pantyhose in Real Contact with Rigid Plate" Textile Research Journal. (発表予定).
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[Publications] 諸岡英雄: "Relationships of Slip in Shoes to Frictional Property and Cloth Thickness of Men's Socks" 繊維製品消費科学会誌. (発表予定).