1992 Fiscal Year Annual Research Report
バイオサーファクタントの界面化学的特性と洗浄性能に関する研究
Project/Area Number |
04680078
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤井 富美子 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (40047056)
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Keywords | バイオサーファクタント / アガリチン酸 / 洗剤 / 界面活性能 / カルシウムイオン結合能 / 洗浄性能 / 耐硬水性 |
Research Abstract |
微生物発酵により産生されるバイオサーファクタント(生物界面活性剤)は従来の合成界面活性剤と比べてすぐれた生分解性・安全性および生理活性などの特性を有しており、新しい環境適合機能物質として注目されている。 本研究は、脂肪酸石けんにかわるバイオサーファクタントとして脂肪酸系バイオサーファクタントであるアガリチン酸(2-ヒドロキシ-1、2、3-ノナデカントリカルボン酸)の洗剤としての性質を検討した。 アガリチン酸をナトリウムメチラートで中和し、1-ナトリウム、2-ナトリウム、および3-ナトリウム塩をそれぞれ調製し、それらの界面活性能、カルシウムイオン結合能、および洗浄性能を調べた。 得られた研究成果の概要はつぎの通りである。 1 界面活性能について、アガリチン酸の1-ナトリウム塩はこれらの塩のうちで最もすぐれた表面張力低下能を示した。 2 アガリチン酸の2-ナトリウムおよび3-ナトリウム塩はすぐれたカルシウムイオン結合能を有している。 3 蒸留水中でのアガリチン酸のナトリウム塩の洗浄性能は界面活性能に関係し、1-ナトリウム塩はすぐれた洗浄性能を有している。 硬水中では、すぐれたカルシウム結合能を有する3-ナトリウム塩は、SDS、LAS、とくに石けんの洗浄性能が著しく低下するのに対して、蒸留水中と同じレベルの洗浄性能を維持する。 以上の結果により、アガリチン酸の3-ナトリウム塩はすぐれた耐硬水性を有する洗剤として活用されることが期待できる。
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Research Products
(1 results)