1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680087
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
飯島 俊郎 実践女子大学, 家政学部, 教授 (40016283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 幸恵 実践女子大学, 家政学部, 助手 (90245689)
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Keywords | フッ素系界面活性剤 / 水溶液の表面張力 / 臨界ミセル濃度(c.m.c.) / 水溶性高分子 / 加成性 / 相乗効果 / 可溶化 / ヒドロトロピー |
Research Abstract |
フッ素系界面活性剤ペルフルオロオクタン酸アンモニウム塩(FSC8N)水溶液の表面張力(γ)を濃度(C)を変えて測定(25℃)した。その結果、3×10^<-2>mol・l^<-1>に屈曲点を見い出し、臨界ミセル濃度(CMC)と推定した。水溶性高分子ポリビニルピロリドン(PVP),ポリエチレンオキシド(PEO)水溶液の表面張力は、濃度とともに僅かに減少する。FSC8N水溶液にPVPまたはPEOが共存(モル比1:1,ただし高分子は単量体モルで計算)する系では、それぞれ屈曲点は低濃度側に移動し、そのうえ活性剤と水溶性高分子による表面張力低下の効果には加成性から正のずれ(相乗効果)が見られた。これは高分子の水和による活性剤の濃縮、活性剤と高分子との相互作用によるものと推定した。 難水溶性色素としてパラ・アミノアゾベンゼン(PAAB),オイルレッド(OR),オイルイエロー(OY),オイルオレンジSS(OO)を用いて相互作用によるFSC8N,PVP,PEOの単独および混合水溶液系の可溶化を測定(25℃)した。FSC8N単独系ではCMC以上で可溶化が起こり、色素はミセルに取り込まれる機構が推定される。CMC以上の可溶化は直線的に増加するが、FSC8Nの高濃度で直線の傾きが僅かに変化し、ミセル溶解に二つの異なる様式のあることが推測される。これに対してPVP,PEOそれぞれの単独系ではヒドロトロピーによる溶解が起こる。溶解量はFSC8NのCMC以上の可溶化量に比べ少ない。混合系(表面張力測定の場合と同様に1:1モル比)ではFSC8N低濃度において加成性から正のずれが見られた。
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