1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680088
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
岡村 浩 昭和女子大学, 家政学部, 教授 (60102654)
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Keywords | 魚鱗の性状 / 魚鱗の蒸煮処理 / スクシニル化 / ゼラチン / 凍結乾燥 / 脱カルシウム処理 / 魚鱗タンパク質の染色 / 凍結粉砕 |
Research Abstract |
(1)魚鱗乾燥物には,魚体の一部(頭,内蔵等)が混在しているので,これを分離,また微細な魚鱗を混合し,肉用鶏の飼料としての利用を試みた。すなわち試料を蒸煮後,乾燥し,肉用鶏の飼料の一部(タンパク質成分)とし,40月間にわたり飼育試験を行った。また予備試験として,一般に市販されているトリプシン,パンクレアチン,放線菌プロテアーゼ,糸状菌プロテアーゼおよび枯草菌プロテアーゼによる消化性を比較した。この結果,蒸煮(気圧2Kg/〓,3分間)により肉用鶏の飼料として利用可能であった。 (2)平成4年度の結果に基づき魚鱗タンパク質を調製し、これを試料とし,脱アミノ化,メチルエステル化およびスクシニル化等の化学修飾を行い,高吸水性付与に関する検討を行った。この結果、アルカリ処理(水酸化カルシウム溶液)7日間後,スクシニル化を施すことにより高い膨潤性を有し,しかも魚鱗の原形を保す吸水性試料がえられた。このスクシニル化魚鱗はシート状物(酢酸ビニル樹脂の混用)を形成することが可能で特殊な用途が開発されるものと考えられる。 (3)魚鱗を完全に脱カルシウム処理後,ゼラチンを抽出した。このゼラチンを凍結乾燥し過度の熱処理を受けないゼラチンを調製した。骨,皮などより調製されたゼラチンに比較してゲル強度は劣っていたが,過度の熱処理を受けないため溶解性はすぐれていた。 (4)魚鱗の染色は,精製後、0.2%塩酸溶液により脱カルシウム処理を行い,全カルシウムの1/2〜2/3程度を除去し,一般の酸性染料で染色し,更に塩基性硫酸クロムで固定し乾燥する。その後凍結粉砕機(CMT社製,TI-500DX型)を使用し,-70℃に凍結させ-30℃の雰囲気下で20分間粉砕することにより平均粒度30mumの微粉末がえられた。このものはエアレス・スプレー装置により塗料材料として容易に吹付可能であった。
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Research Products
(1 results)