1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680088
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Research Institution | SHOWA WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡村 浩 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (60102654)
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Keywords | 魚鱗の性状 / ゼラチンの物性 / ゼラチンの分子量分布 / アミノ酸組成 / ゼラチンの抽出率 / 凍結乾燥 / 豚コラーゲン / 低温抽出ゼラチン |
Research Abstract |
平成4年度および5年度の検討結果を総合し、研究目的の魚鱗の有効利用に関するシステム化を確立するための補足的な実験を行った。本年度はマイワシの乾燥魚鱗より調製した魚鱗タンパク質より抽出された魚鱗ゼラチンの性状につき検討した。 (1)魚鱗タンパク質では、アルカリ浸漬3日間で、60℃抽出:38.9%、全ゼラチン抽出:71.6%となりゼラチン抽出率が最大となる。豚コラーゲンでは、14日間アルカリ浸漬により、60℃抽出:約30%、全ゼラチン抽出:約48%となる。しかし1%水酸化カルシウム混液に浸漬した場合魚鱗タンパク質のコラーゲン溶脱率が多かった。 (2)魚鱗タンパク質よりアルカリ浸漬処理後、ゼラチンを抽出しゲル濾過による分子量分布を比較した。低温抽出(60℃)はアルカリ浸漬日数の影響を受けやすく、3日間の短時間の浸漬処理により、分子量分布の均一なゼラチンがえられる。それ以降、アルカリ浸漬処理により低分子成分の生成が認められた。豚コラーゲンより抽出されたゼラチンの分子量分布とは差異が認められ、これがゼラチンのゼリー強度および固有粘度に影響し、魚鱗ゼラチンの物性値は豚ゼラチンに比較し、同じアルカリ浸漬処理および抽出条件では低い値を示していた。 魚鱗ゼラチンの場合、アルカリ未処理および3日間の浸漬処理のゼラチンについて、Cysの1アミノ酸残基が含まれ豚ゼラチンに全く含まれていなかった。コラーゲンI型が主体と考えられる。
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Research Products
(2 results)