1993 Fiscal Year Annual Research Report
筋・骨の廃用萎縮に及ぼす栄養及び内分泌系の関与:エイジングとの関係
Project/Area Number |
04680094
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
河野 節子 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (40024640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 香里 名古屋女子大学, 家政学部, 助教授
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Keywords | ラット尾部懸垂 / 尿中コルチコステロン / 尿中ハイドロキシプロリン / アルカリフォスファターゼ / カテコラミン / ストレスホルモン / 廃用萎縮 / 骨中カルシュウム |
Research Abstract |
目的 尾部懸垂は廃用萎縮のよいモデルであることを報告したが、尾部懸垂がストレスとして働き、副腎皮質ホルモンの分泌を増加させ、後肢骨・筋の萎縮を増加させる事を示唆してきた。しかし血中の副腎皮質濃度は、採血時のストレスにより上昇するため尾部懸垂の影響を観察することは不可能だった。従って本研究では8、12カ月齢雄ラットを用いて、尿中のコルチコステロン、カテコラミンを測定し、懸垂期間中のストレス負荷との関連を検討した。また骨基質に多く含まれ、骨吸収の指標として用いられてきたハイドロキシプロリンを測定し、骨萎縮との関連を検討したので報告する。方法 8週齢(12匹)及び12カ月(16匹)のWistar系雄ラットを各々予備飼育後、懸垂群と対照群に分けた。7日間で懸垂終了後、採血屠殺し、臓器の湿重量を測定した。尿中コルチコステロン濃度はRIA法で、カテコラミンはカテコラミンアナライザーで、尿中ハイドロキシプロリンはProckopらの方法で測定した。結果 8週齢ラットでの尾部懸垂により大腿骨重量の減少が認められ、骨中のCa、Pi含量の減少及びALP活性の低下が認められた。12カ月齢ラットでは7日間の尾部懸垂による大腿骨重量、骨中Ca,Pi含量の変化は認めず、ALP活性は懸垂群で低下を示した。尿中へのストレス関連ホルモンの排泄を経日的に検討した結果、8週齢ラットでは尾部懸垂によりこれらのホルモンは懸垂開始1-3日に高値を示したが、12カ月齢ラットでは、懸垂負荷による変化は認められなかった。8週齢に比べ基礎分泌量は2倍以上上昇した。また尿中ハイドロキシプロリン排泄量は8週齢ラットと12カ月齢ラットでは加齢による差異が認められたが、尾部懸垂群と対照群との差は認められなかった。結論 8週齢ラットでの骨・筋の廃用萎縮に内分泌系の関与が示唆された。若年ラットに比べて12カ月齢ラットについては顕著な変化が認められなかった。また慢性的なストレス負荷時の副腎皮質系の反応を見るためには、尿中のホルモンがよい指標となることを確認した。今後の発展 骨吸収マーカーとしてより鋭敏なピリジノリンの測定を加えたい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 河野節子: "尾部懸垂ラットにおける筋・骨萎縮の内分泌学的検討" 名古屋大学環境医学研究所年報. 44. 5-8 (1993)
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[Publications] 神田和実: "ラット尾部懸垂における昼夜の尿排泄リズムの変化" 名古屋大学環境医学研究所年報. 44. 1-4 (1993)
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[Publications] Kazumi Kanda: "Urinary Excretion of Stress Hormones of Rats in Tail-suspension" Environmental Medicine. 37. 39-42 (1993)
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[Publications] 宮本法博: "ラット尾部懸垂モデルにおけるCa代謝調節ホルモンの変動" 10th ISAS Space Utilization Symposium. 152-154 (1993)
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[Publications] 末田香里: "ストレス環境下におけるビタミンA代謝" 名古屋女子大学紀要. 39. 35-40 (1993)
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[Publications] Miyamoto N.: "Effect of adrenalectomy and orchiectomy on muscle atrophy of rat hindlimbs induced by Tail-suspension" Procecdings of the 3rd International Symposium on Space Medicire in Nagoya. 317-324 (1992)
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[Publications] 河野節子: "ラット尾部懸垂による尿中Ca,Pi排泄量と骨代謝の変化-尿中コルチコステロン排泄量との関連" 環境医学研究所年報. 43. 3-6 (1992)
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[Publications] 坂野真士: "尾部懸垂ラット下腿骨におけるI型コラーゲン、アルカリフォスファターゼ遺伝子発現の検討" 環境医学研究所年報. 43. 7-8 (1992)