1992 Fiscal Year Annual Research Report
ラット消化管におけるフィチン酸の分解及びフィチン酸のミネラルの吸収に及ぼす影響
Project/Area Number |
04680096
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Research Institution | Seijo University Junior College |
Principal Investigator |
宮沢 栄次 成城短期大学, 教養科, 教授 (10119365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 粧子 都立立川短期大学, 食物学科, 講師 (40132055)
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Keywords | フィチン酸 / カルシウム吸収 / マグネシウム吸収 |
Research Abstract |
1.研究実施計画のIについて - (1)リン源としてフィチン酸または無機Pを含む5種の食餌(A=低無機P食、B=フィチン酸食、C=低無機P+フィチン酸食、D=通常無機+フィチン酸食、E=通常無機P)を作成しラットに与えた。 (2)フィチン酸を含む食餌(B、C、D)を与えられたラットにおけるフィチン酸の分解率は、B>C,D、すなわち、食餌中に無機Pが共存すると低下することが、タンパク質源として乳清タンパク質を用いた今回の実験でも認められた(タンパク質源がカゼインの場合については既報)。(3)食餌中全P含量が互いにほぼ等しい食餌群間でCaおよびMgの吸収を比較すると、いずれもA>B,およびE>Cであった。 すなわち、フィチン酸はCaやMgの吸収を阻害することが示された。 (4)フィチン酸を含む食餌群の間ではCaおよびMgのいずれの場合も、C食群が最も吸収率が低かった。 すなわち、分解されずに残っているフィチン酸が同程度の場合には、食餌中無機Pが多い方がCaやMgの吸収に対するフィチン酸の阻害作用が緩和されることが認められた。 以上は糞の分析結果であるが、盲腸内容物のレベルでの分析結果もほぼ同様であった。 それゆえ、結腸内容物については分析を省略した。 小腸下部内容物については、さらに上下に二分し分析している。小腸中部内容物はサンプル不足で測定不可能であった。 2.研究実施計画のIIについて - 腸管内容物の短期間の変化を見る実験であるので食糞を防止することが重要であるが、テイルキャップを装着させた予備実験では体重の減少が見られ、腸管内容物が十分得られなかった。 そこで、食糞があってもフィチン酸の分解率を正確に算出できるようにするため、酸化クロムもフィチン酸も食餌切り替え後にのみ添加する方式を採ることにした。 近いうちにラットの飼育を開始する予定である。
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