1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680098
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
山田 令子 岐阜市立女子短期大学, 被服学科, 教授 (10070898)
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Keywords | 高齢軽度障害者 / 快適な衣生活 / 色柄・形 / 着用枚数 / 好まれる衣服形態 / 対他意識 |
Research Abstract |
高齢軽度障害者に焦点をあて、少しでも快適な衣生活を送るには、どんな衣服が望ましいかを探ることを目的として、特別養護老人ホーム、老人ホームを訪問して、一人一人に対面聞取りを行い、着衣状態の実態を調査した。調査対象者の年齢は、80〜89歳が一番多く、70〜79歳、90〜99歳の順である。障害者の障害の具合いは、左手・右手又半身が麻痺、足が不自由・神経痛・全盲等である。寝たきり老人は省いた。 今日着ている服は、ほとんどの人が気に入って着用しており、不満度が少い。気に入る理由は、色柄、形である。着用形態は、年齢が高いため、着物も多いが、市販の丸首トレーナー、前開きパジャマで衿無が多い。しかし衿有を希望する人もあった。着用枚数について、上衣、下衣、ともに最低は2枚で最高は5枚である。首にマフラーをつけている人もあり、靴下をはいている。室内の温度は一定であるが、重ね枚数に大きな違いがみられる。 好まれる衣服の形態は、イタリアン・フラット・ショールカラー系の衿有り、身頃は前開きボタン止め、袖口はニット又は普通袖でカフスは好まれない。スカート・ズボンのウエストは総ゴムで下衣の脇にポケットを付ける。着用してみたい衣服の色は、グレー系が一番多く、次いで茶系、紫・青系である。 衣服の着用に関する意識について、「服を着替えることは楽しい」、「いい服を着ていると言われることは嬉しい」、「人が着ている服が気になる」、「自分の着ている服を人がどう思うか気になる」に肯定的であり、年齢が高くても、自分で楽しむだけでなく、他人を意識している。否定的なものは、「流行に関心がある」、「高価な服が着たい」、「派手な明るい色が着たい」、「おしゃれして若くみられたい」、「制服があるとよい」の項目である。
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