1992 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体^<15>Nを用いた運動時のプリン体代謝に関する研究
Project/Area Number |
04680110
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 朗 筑波大学, 体育科学系, 教授 (80056639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 俊夫 日本医科大学, 第二生化学, 講師 (60199966)
田崎 洋佑 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (30114101)
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Keywords | ^<15>N / プリン代謝 / 尿酸 / アデニンヌクレオチド |
Research Abstract |
運動時の肝におけるプリン代謝を解明するため、ラット(Wistar-iamichi)に安定同位体である^<15>N-Adenineを投与し、肝に標識したアデニンヌクレオチドプールを作成した状態で運動を負荷して、運動後のプリン代謝動態について検討した。また、肝アデニンヌクレオチド分解が尿酸生成に及ぼす影響についても同時に検討した。被検動物は、^<15>N-Adenineおよびpotassium oxonate(Allantoin生成阻害剤)を投与して運動を行う運動群、^<15>N-Adenineおよびpotassium oxonateを投与して安静を維持する対照群、potassium oxonateのみを投与して安静を維持する群の3群に分類した。結果を以下に示す。 1.血漿尿酸値は、運動直後および運動1時間後で対照群に比し有意な高値を示し、運動7時間後においても高値傾向を示した。 2.肝組織中^<15>N含有量は、運動直後、1、7時間後のいづれの時間帯においても対照群に比し有意な低値を示した。 3.肝組織中のATPおよびTAN(ATP+ADP+AMP)は、運動直後で対照群に比し有意な低値を示した。AMPおよびadenosineは、運動直後で対照群に比し有意な高値を示した。IMPは実験を通して有意な差は認められなかった。 4.尿中尿酸排泄量および尿中尿酸^<15>N含有量は、対照群に比し有意な高値を示した。 以上の結果から、運動時には、肝においてアデニンヌクレオチド分解が高進し、それに伴い尿酸生成も高進することが示唆された。
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