1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680127
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
笠井 達哉 広島大学, 総合科学部, 教授 (60112702)
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Keywords | 経頭蓋的磁気刺激 / 筋電図 / 随意運動 / 大脳皮質運動野 |
Research Abstract |
過去2ケ年に渡って、ヒトの大脳皮質を経皮的に磁気刺激し、得られた誘発筋電図の潜時と振幅及びその動態の変化から、磁気刺激法はヒトの随意運動機能の運動神経生理学的機序の解析に有効な方法であることが分かった。即ち、一つには従来脊髄反射法によってしか解析が進められなかったヒトの随意運動の運動神経生理学的解析が、磁気刺激法を使用する事によって中枢性の機序とそれに関わる脊髄反射機能との関係がより微細な点にわたっても解析することが出来ることが分かった。従って、平成5年度の研究の評価は、概ね満足のいくものであった。具体的には、ヒトの随意運動の発現に極めて重要な脊髄反射機能である相反性抑制機構が、中枢性にどのように制御されているかを調べる方法として、磁気刺激法はヒトの大脳皮質を容易に刺激できることから、この方法で得られた誘発筋電図の潜時と振幅及びその動態変化から評価できることが分かった。また同時に、中枢運動機能が脊髄運動細胞をどのように制御しているかをも、この磁気刺激法を使う事によって評価できることが分かった。従って、ヒトの随意運動機能の運動神経生理学的機序の解析には、磁気刺激法は極めて有効かつ不可欠な方法であることが確認できた。また、機器の安全性についてもさらに検討した結果、問題点は見つからず、その安全性と応用性は非常に高いことが確認できた。
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