1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680130
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
荒木 秀夫 徳島大学, 教養部, 助教授 (90151159)
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Keywords | エネルギー代謝 / 乳酸 / 大脳誘発電位 / 感覚系機能 / 運動 |
Research Abstract |
1.大脳誘発電位は通常の脳波,筋電図,心電図に比べて,かなり微弱な電位であり,全身運動中の測定ではこれを増幅してコンピュータ解析を行うには数多くのアーチファクトにより解析が極めて難しい。平成4年度中に行った研究では,導出法,電極配置,測定方法等の検討を始めに行い,この結果に基づき,部分的運動,全身運動時における誘発電位の測定を行った。現在のところ,聴性脳幹反応,体性感覚誘発電位に関する実験まで終了した。その内容は以下のように概括される。 2.運動と大脳誘発電位との関連では,第一にゲイティングと呼ばれる運動に伴う感覚経路の抑制が問題となる中潜時成分以降についてはこの現象が確認されているが,聴覚誘発電位の皮質下成分については知られていない本研究で,感覚モダリティの違いに着目しながら,聴性脳幹反応(BAEP)について検討したところ,選択的に聴覚刺激に対する反応動作において脳幹レベルでもゲイティングが生じ,視覚刺激では生じていないことを確認した。 3.次に全身運動に伴うエネルギー代謝水準との関連からみた体性感覚誘発電位の検討を始めたが,各成分の内脊髄誘発電位(第2頚髄),皮質誘発電位にわたるN14,N20,N35等を検討し,代謝水準との対応では第一反応と第二反応の成分とでは異なった変動を示すことを確認した。その最大の相違点は血中乳酸濃度が4mlモルを越える運動強度の時には,各成分のうち第一次反応に比べて第二次反応で抑制される成分があることを見い出した。この現象はゲイティングとも異なった変動様相であった。
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Research Products
(1 results)