1992 Fiscal Year Annual Research Report
末梢循環系に対する効果からみた至適運動負荷に関する研究
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04680145
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
加賀谷 淳子 日本女子体育大学, 体育学部基礎体力研究所, 教授 (80083096)
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Keywords | トレーニング / 前腕血流量 / 皮膚血流量 / 血圧 |
Research Abstract |
本研究は末梢循環系に対する効果から見た持久的トレーニングの至適負荷を明らかにすることを目的としている。年齢18-19歳の成人女性18名をトレーニング群(9名)とコントロール群(9名)にわけ、次のような内容のトレーニングを週5回、6週間にわたって実施させた。すなわち、最大等尺性掌握力の30%(%MVC)に相当する負荷を60回/分のテンポで2cm持ち上げる動的運動をExhaustionまで続けるものである。トレーニングはハンドエルゴメータを用いて、仰臥位で行った。トレーニングの前後に、最大筋力、30%MVC負荷での最大作業回数、最大下運動および最大運動に対する循環系応答の測定を実施した。5kgの負荷を与えて、60回/分のテンポの動的掌握運動を3分間続けた最大下運動時の心拍数、収縮期と拡張期血圧(Finapres)には有意の変化は見られなかった。しかし、運動終了直後の前腕血流量(静脈閉塞法)は有意(P<0.05)に減少し、運動後1-5分めの回復率も有意に変化した。コントロール群ではいずれも有意な変化が見られなかった。30%MVC相当の負荷を与えてexhaustionまで作業を続ける最大運動終了時の心拍数、血圧、前腕血流量はトレーニングによって有意な変化を示さなかったが、exhaustionに達するまでの作業時間は有意(P<0.01)に延長を示した。コントロール群では、いずれのパラメータも有意な変化を示さなかった。半導体レーザー式組織血流計(LBFIII、バイオメディカルサイエンス株式会社)を用いて記録した皮膚血流はトレーニングによって一定の変化を示す傾向は見られなかった。したがって、負荷が30%MVC相当、テンポ60回/分の最大動的トレーニングでは、最大運動時の末梢循環系応答に効果を及ぼすには至らなかったが、最大下運動時の血流増加を抑制する効果がみられ、それが一定の血流量に達するまでの作業時間の延長につながったと考えられる。このような効果は一定負荷運動時の動静脈酸素較差の増加の可能性を示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Atsuko Kagaya: "Reduced exercise hyperaemia in calf muscles working at high contractio frequencies." Eur. J. Appl. Physiol.64. 298-303 (1992)
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[Publications] Atsuko Kagaya and Futoshi Ogita: "Blood flow during muscle contraction and relaxation in rhythmic exercise and different intensites" Ann. Physiol. Anthrop. 11. 251-256 (1992)
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[Publications] M. Saito, A. Kagaya F.Ogita and M.Sinohara: "Changes in muscle sympathetic nerve activity and blood flow during combined leg and forearm exercise." Acta Physiol Scand. 146. 449-456 (1992)