1992 Fiscal Year Annual Research Report
単純性肥満患者における食事療法および食事と有酸素運動の併用療法の効果
Project/Area Number |
04680150
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 宏暁 福岡大学, 体育学部, 教授 (00078544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 淳 福岡大学, 医学部第二内科, 助教授 (90122697)
進藤 宗洋 福岡大学, 体育学部, 教授 (30078539)
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Keywords | 単純性肥満 / 運動療法 / 食事療法 / エネルギー出納 / 有酸素能力 / 身体組成 |
Research Abstract |
単純性肥満患者におけるライフスタイルの変化が身体組成及び有酸素能力に及ぼす影響について検討した。対象は女性の単純性肥満患者16名で、運動療法と食事療法の併用群(CT群)と食事のみを制限する食事療法群(NT群)とした。期間は、導入3日、治療28日、離脱3日の計34日間、施設入院により管理し、入院中は日常生活時の熱量を消費させた。測定は入院前と退院時とに、体重、身長、身体の周径囲及び身体組成(皮下脂肪厚(間接法)と水中体重法(直接法)から身体密度を測定、これを長嶺とBrozekの式に代入し体脂肪率(%Fat)、体脂肪量(FatM)、除脂肪体重(LBM)を算出)を測定し、自転車エルゴメーターによる運動負荷試験より最大酸素摂取量(Vo2max)を測定、血中乳酸濃度閾値(LT)の決定を行なった。また、消費熱量を日常生活時と入院時とに、ホルター心電計(フクダ電子社製)の記録から24時間心拍数を解析し、摂取熱量を、入院前(日常生活時の摂取した飲食物と量との記録から)と入院時(食事療法のメニューから)とで分析し、それぞれ算出した。治療期間中、運動療法はLT強度で300kcal/日の自転車エルゴメーター運動を行い、トレーニング中間日に強度と時間とを修正した。食事療法はCT群が1000kcal/日、NT群が700kcal/日の摂取熱量で食事を制限した。その結果、CT群においてVo2maxの絶対値と間接法によるLBMとの変化量および率との間に正の相関関係が認められ、LBMの増減により有酸素能力が増減することが示唆された。また、エネルギー出納(消費熱量から摂取熱量を減じて求めた)と体重及び直接法の%Fatとの間に負の、摂取熱量と体重との変化率の間に正の相関関係が認められ、エネルギー出納が大きいほど体重や体脂肪率の減少が大きく、とくに摂取熱量の減少が体重の減少に大きな影響を及ぼしていることが示唆された。
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