1993 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロンの樹状突起に存在するBC-1RNAタンパク複合体の構造と機能
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04680174
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安西 偕二郎 日本大学, 薬学部, 助教授 (30114359)
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Keywords | 反復遺伝子 / 低分子量 RNA / 神経細胞 / 樹状突起RNA / タンパク合成 / RNA輸送 / リボ核タンパク質 / DNA結合RNA結合タンパク |
Research Abstract |
BC-1 RNAはゲッ歯類ゲノムのevolutionary markerであるID反復遺伝子の転写産物である。このRNAは特定のタンパクと複合体を形成し(以下 RNP)神経細胞の樹状突起にある事が示されている。既に樹状突起へは特定の種のRNA分子が活発に輸送されその内部で翻訳されている事が知られている。この様な事は軸索では見られない事からこれらのRNAが樹状突起に於ける刺激の受容や、その後の情報の伝達過程に関与していると推定されている。神経細胞のシナプス伝達が高度の可塑性をもつ事に密接に関連しているとも考えられている。従って樹状突起へ運ばれるBC-1 RNPの役割について理解を深める事は以上の点からも大切である。我々は既にBC-1 RNAがRNPとしてある事を報告して来たが、本課題該当年度内に更に(1)このRNPはBC-1 RNAとID反復遺伝子の双方に結合するタンパク(以下Bp-1タンパク)を含む事(2)Bp-1タンパクが動物の誕生後の成長過程でその細胞内局在性が核から細胞質へと変化する事を示した。これらの事はBp-1タンパクが(1)BC-1 RNAの脳特異的転写に関与しうる事 (2)BC-1 RNAの核から細胞質への輸送に関与しうる事を示唆している。現在(1)BC-1 RNAの転写のメカニズムについて実際に転写されているID遺伝子を用いて解析する(2)in vitroで調製したBC-1 RNAを神経細胞にmicroinjectし輸送に関わるRNA部位について解析する(3)BC-1 RNPが樹状突起内タンパク合成に関与しうるところからBC-1 RNAのantisense oligosを開いて解析する。(4)BC-1 RNAの組織特異性について、殊に神経支配をうける組織等について再評価する等のproiectを開始している。
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[Publications] Shunsuke Kobayashi: "The IOS BC-1 Ribonucleoprotein Particle Contains Identifier sequencebinding proteins that interact with an Array of GCAAG/CTTGC Motifs between Spiit Promoter Sequences for RNA Polymerase III" J.Biological Chemistrg. 267. 18291-18297 (1992)
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[Publications] Shunsuka Kobayashi: "Developmental Change in Subcellulav Location of Bp-1 Protein with an Ability to Intevact with Both Identitier Sequences and Its Brain-Specific Transcript,BC-1 RNA" Biochemical and Biophysical Research Communications. 189. 53-58 (1992)