1992 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロンが誘導する肝細胞由来の抗腫瘍因子の精製とcDNAクローニング
Project/Area Number |
04680178
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
安井 浩明 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (80230209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 龍太郎 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 部長 (10124760)
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Keywords | Interferon(インターフェロン) / Hepatocytes(肝細胞) / 腫瘍細胞 |
Research Abstract |
肝細胞がインターフェロンーα/β刺激により産生する抗増殖因子(インターフェロン抵抗性フレンド白血病白細胞FLCに対するチミジン取り込み抑制にて評価)の精製を行うにあたり、先ずサンプルを得るために必要な肝細胞cultureのqualityについて検討した。即ち肝細胞culture中に不可避的に混じてくる肝非実質細胞(主にクッパー細胞や類洞上皮細胞)の産物のassay系への影響を検討しておく事が重要であった。非実質性細胞/肝細胞の比を0から2.5までいくつかに変え、インターフェロン処理により産生される抗増殖活性を比較したところ、どの比の培養においても同一の活性が得られた。また、非実質細胞のみを精製してインターフェロン処理を行っても全く抑制活性は得られなかった。以上のことより、目的とする因子の産生のための肝細胞培養を作製するに当たって通常の数%の非実質細胞の混入は全く問題とならないことが判明した。インターフェロン前処理(又はコントロール)肝細胞よりえられた培養上清を酸処理後限外濾過膜を使用した装置により濃縮し分子篩クロマトグラフィーにより分画を試みた。その結果1)コントロール培養上清由来の試料に70Kから35KDaにかけやや広いピークを成すFLCの増殖促進活性を認めた。2)インターフェロン前処理肝細胞の培養上清由来の試料ではコントロール試料によって得られたような細胞増殖促進活性は殆ど認められず、100KDa付近に比較的弱い増殖抑制活性が認められた。以上のことより今後の展開として、1)従来増殖抑制活性にのみ注目してきたがインターフェロンによる増殖促進因子の産生抑制のメカニズムが示唆され、これを解明していく必要があること、2)抗増殖因子の活性が充分でなかったが現在のクロマトグラフィーの条件下で吸着などにより失われていたり、あるいは抑制活性が増殖活性にマスクされている可能性があり、これらの点について検討を要すること、が挙げられる。
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Research Products
(1 results)