1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680194
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
能城 光秀 広島大学, 歯学部, 助教授 (00144858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 幸三 広島大学, 医学部, 助手 (50180964)
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Keywords | コレステロール / 胆汁酸合成 / 7α水酸化酵素 / チトクロムP450 |
Research Abstract |
コレステロール7α水酸化酵素はコレステロールから胆汁酸への生合成経路の初発反応を触媒する重要な調節酵素である。本研究はラットを実験材料として酵素精製に始まり、免疫抗体作製、cDNAの単離とその構造決定、そして遺伝子の単離とその構造解析と進めてきた研究を踏まえてさらに遺伝子の上流解析を行い、遺伝子発現機構の解明を目的とするものである。また、ヒトおよびそのモデル系としての実験動物における胆汁酸合成系の各酵素の変動とコレステロール代謝異常により引き起こされる様々な疾患との関連を調べる事により、それらの疾患の病因論やひいては治療法の解明をも目指すものであり、本年度は現在までに以下のような成果を得ている。 ヒトコレステロール7α水酸化酵素の遺伝子をEMBL3遺伝子ライブラリーから、先に得ていたヒト7α水酸化酵素のcDNAをプローブとして用い単離した。遺伝子構造を解析したところ、我々が既に解析していたラットの遺伝子と同じく、6つのエクソンからなる全長約10kベース程のものであった。5'端の上流数百ベースのプロモーター領域の塩基配列を決定したところ、-30塩基のところにTATAボックスがあり、コンピュターによる検索では様々な調節エレメントが見いだされた。またそれらのエレメントの大部分はラットのものにも見いだされ、この領域の遺伝子発現調節における重要性を窺わせた。 胆汁酸代謝の動態がヒトに似ているので実験モデルとしてハムスターを選び、その肝臓cDNAライブラリーからハムスターのコレステロール7α水酸化酵素のcDNAを単離した。約500塩基からなるcDNA断片をプローブとして用い、ハムスターのコレステロール7α水酸化酵素のmRNA日内変動を調べたところ、ラットに見られたのと同様な著しい日周変化が見られ、それは酵素活性の変動と相関していた。
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[Publications] 石田 広子: "Purification and characterization of 7α-hydroxy-4-cholestene-3-one 12α-hydroxylase" The Journal of Biological Chemistry. 267. 21319-21323 (1992)
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[Publications] 西本 正純: "Structure of the gene encoding human liver cholesterol 7α-hydroxylase" Biochimica et Biophysica Acta. 1172. 147-150 (1993)