1993 Fiscal Year Final Research Report Summary
ヒトの脂肪酸およびエイコサノイドω水酸化P-450の構造と機能
Project/Area Number |
04680202
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
代謝生物化学
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
楠瀬 正道 福山大学, 工学部, 教授 (10046766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 安至 福山大学, 工学部, 助手 (50224895)
山本 覚 福山大学, 工学部, 講師 (10191404)
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Project Period (FY) |
1992 – 1993
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Keywords | ω水酸化 / チトクロームP-450 / エイコサノイド / 脂肪酸 / ロイコトリエン / cDNAクローニング |
Research Abstract |
1.ヒトの肝ミクロゾームより,脂肪酸ω水酸化酵素(P450HLω)を15nmol P450/mg蛋白質の比含量に迄精製した。本P450HLωはSDS-PAGE上,52,000の見かけの分子量を示した。更にヒトの肝cDNAライブラリーより,ウサギの脂肪酸ω水酸化酵素(CYP4A5)のcDNAをプローブとして,脂肪酸ω水酸化酵素のcDNAクローンを単離した。このcDNAから推定されるアミノ酸残基5から25迄の配列は,未決定の一残基を除いてP450HLωのN末端配列と同一であった。このcDNAは519個のアミノ酸から成る分子量59,347の蛋白質をコードした。本cDNAより推定されるアミノ酸配列はCYP4A5と82%の相同性を示した。ノーザンブロット分析の結果,このcDNAにハイブリダイズするmRNAはヒトの肝臓と腎臓に発現することが認められた。発現ベクターpAAH5を用いて本cDNAを酵母に発現させた蛋白質は,見かけの分子量約52,000で種々の脂肪酸のω水酸化反応を触媒した。これよりこのcDNA(CYP4A11)はヒト肝脂肪酸ω水酸化酵素P450HLωに相当することが証明された。 2.ヒト好中球のcDNAライブラリーより,ウサギのプロスタグランジンω水酸化酵素(CYP4A4)のcDNAをプローブとして,ロイコトリエンB_4ω水酸化酵素(P450LTBω)のcDNAを単離した。本cDNAによりコードされる酵素は520のアミノ酸残基よりなり,分子量は59,805である。本酵素を酵母内に発現させたところ,ロイコトリエンB_4のω水酸化を触媒し,そのKm値は0.71μMであった。本酵素のアミノ酸配列は脂肪酸やプロスタグランジンω水酸化酵素(CYP4A)と42-43%の相同性を示し,P450遺伝子スーパーファミリーにおいてファミリー4の中の新しいサブファミリー4F(CYP4F3)の一員であることが明かになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kikuta,Yasushi: "A novel form of Cytochrome P-450 family 4 in human Polymorphonuclear leukocytes:cDNA cloning and expression of leukotriene B_4ω-hydroxylase" The Journal of Biological Chemistry. 268. 9376-9380 (1993)
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[Publications] Sawamura,Arata: "Catalytic properties of rabbit kidney fatty acid ω-hydroxylase cytochrome P-450Ka2(CYP4A7)" Biochimica Biophysica Acta. 1168. 30-36 (1993)
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[Publications] Kusunose,Masamichi: "Fatty acid omega-oxidation and eicosanoid metabolism" Cytochrome P-450. Second edition. 127-141 (1993)