1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680205
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Prefectural Colony |
Principal Investigator |
浅野 富子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 室長 (70100154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 理香 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所, 研究助手
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Keywords | G蛋白質 / サブタイプ / Go / アデノシン受容体 / ムスカリン性アセチルコリン受容体 |
Research Abstract |
G蛋白質のうち脳に高濃度存在するGoのalphaサブユニット(Goalpha)は、遺伝子やcDNAの解析から異なるスプライシングにより少なくとも2種類発現することが予想され、実際蛋白質としても2種類存在している。脳に多く存在するサブタイプはGoAalpha、少量しか存在しないものはGoBalphaと一致することを昨年度示した。2種類のGoalphaはC末端側の3分の1が異なっている。この領域には受容体および効果器と相互作用する部位があると報告されており、両サブタイプは機能的に異なる可能性が考えられている。本研究はこれらのGoalphaのサブタイプの機能的差異を明かにし、最終的にはGoの機能を解明することをめざして行い、今年度は以下のような成果を得た。 A_1アデノシンやムスカリン性アセチルコリン受容体はGoやG_iと共役することはすでに知られているが、Goのサブタイプとの共役の違いはまだ知られていない。そこで、A_1アデノシン受容体はウシ脳から部分精製した標品を、ムスカリン性アセチルコリン受容体はm_2タイプをSf9細胞に発現させ、精製した標品を用いた。両受容体をGoAまたはGoBと再構成し、それぞれのアゴニスト結合の親和性を求め共役の指標とした。A_1アデノシン受容体は、GoAとより強く共役した。対照的にムスカリン性アセチルコリン受容体はGoBとよりよく共役することが判明した。私達は以前、GABA_B受容体はGoA、GoB両者と同程度の強さで共役することを報告したが、これらの結果から、各受容体はGoの両サブタイプと独自の選択性で相互作用をしているものと考えられる。さらに、Goの両サブタイプは異なっているC末端側3分の1に受容体を認識する部位をもつものと考えられた。
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