1993 Fiscal Year Annual Research Report
高集積密度半導体素子を利用した中性子照射損傷ダイナミクスの研究
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04680229
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 敏行 大阪大学, 工学部, 助教授 (60115988)
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Keywords | 高集積密度半導体素子 / 中性子照射損傷 / 損傷ダイナミクス / 半導体メモリIC / ソフトエラー / ビットソフトエラー断面積 / CMOS SRAM IC / Si(n,α)Mg反応 |
Research Abstract |
中性子照射中の高集積密度半導体記憶素子試料から、メモリーセル個々の状態データをIn-Situで読み取る装置を開発した。この装置は測定室にセットする中心のコンピュータシステムと、中性子照射室に持込む耐放射線性を考慮したRAMドライバー回路で構成されている。これまでに、16Kビットから1Mビットまでの代表的な数理類のCMOS-SRAM-ICを14-MeV中性子で照射し、本装置で試料メモリーICの中性子誘起ソフトエラーのパターンと発生率を分析した。いずれの試料ICについても、中性子核反応によってメモリーセル1個のみに対応するソフトエラーが観測され、全ソフトエラー数は中性子フルエンスに正確に比例した。 このことから、中性子核反応の影響が及ぶ範囲の大きさはメモリーセル1個以内であることがわかった。また、ソフトエラーの発生の比例定数、つまりビットソフトエラー断面積は、16Kと64Kビットの試料では2〜3×10^<-15>cm^2,256Kと1Mビットのものでは、6〜9×10^<-14>cm^2であった。DT中性子のソフトエラー発生の原因と思われるSi(n,α)Mg反応の断面積を0.5バーンとすると、1Mビットの試料に対する反応有効体積は5μm×5μm×500〓程度と考えられる。そして、DD中性子に対するビットソフトエラー断面積はDT中性子に対する値より3桁以上小さな値であった。(断面積が小さく正確な値を実験で求めるのは相当大変である。)この結果からも、中性子誘起ソフトエラーにはSi(n,α)Mg反応等のしきい値反応が重要な反応であることがわかる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sunarno,T.Iida,et al.: "Soft-Error on Memory ICs Induced by D・T Neutrons" J.Nucl.Sci.Technol.30. 107-115 (1993)
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[Publications] T.Iida,et al.: "Fusion Neutron Damage in Si Surface Barrier Detector" Proc.8th workshop on Radiation Detectors. (1994)
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[Publications] Sunarno,T.Iida,et al.: "Soft-Error on CMOS SRAM ICs by Fusion Neutrons" IEEE Trans.on Nuclear Science. (1994)
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[Publications] T.Iida,et al.: "Carrelation of DT and DD Fusion Neutron Damage in Si-SSD" IEEE Trans.on Nuclear Science. (1994)