1993 Fiscal Year Annual Research Report
超ラウン元素の消滅処理に関連した中性子核データの研究
Project/Area Number |
04680234
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大澤 孝明 近畿大学, 原子力研究所, 助教授 (10038028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 憲吾 近畿大学, 原子力研究所, 講師 (70218410)
|
Keywords | 超ウラン元素 / 消滅処理 / 核データ / 中性子 / 核分裂 |
Research Abstract |
今年度は超ウラン元核種のうち、特に使用済み燃料中の蓄積量が大きいNp-237とAm-241を対象として、核分裂中性子スペクトルの評価計算を行った。主な成果は次の通りである。 (1)超ウラン核種の中でも、マイナーアクチニドに関しては核分裂片の質量分布の測定データが乏しいか、または皆無のことも多い。そこで、広範なアクチニド核種の質量分布の統計性を研究した森山・大西のシステマテイックスに基づいて質量分布および平均的軽分裂片と重分裂片の質量を計算するコードMORY1を作成した。 (2)平均的軽分裂片と重分裂片の準位密度パラメータはIgnatyuk理論に基づき計算した。この時使用するshell補正項の値は、測定データが多いU-235,U-238,Pu-239の核分裂中性子スペクトルの解析から、MyersのDropletモデルの値を用いる方が良好な結果を与えることを見いだした。 (3)Np-237,Am-241の20MeVまでの核分裂確率を解析し、この結果を用いて高次核分裂(multiple-chance fission)を考慮した核分裂中性子スペクトルを計算した。Np-237の場合、計算結果は6MeVにおける唯一の測定データをほぼ良好に再現した。 (4)入射中性子エネルギー10^<-5>eV,1,2,5,14,20MeVに対するNp-237とAm-241の核分裂中性子スペクトルを計算し、ENDF/B-5フォーマットにまとめた。現在JENDL-3.1に収録されているNp-237,Am-241の核分裂スペクトルはMaxwell型であり、入射中性子エネルギーへの依存性が考慮されていないので、高い入射エネルギーでは実際のスペクトルとの食い違いが大きくなることが明らかになった。
|