1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680241
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石原 潤 名古屋大学, 文学部, 教授 (70080265)
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Keywords | 中国 / 自由市場 / 綜合市場 / 専業市場 / 卸売市場 / 毎日市 / 定期市 |
Research Abstract |
本年度は、中国の自由市場の全国的概況を知るため、1988年刊行の『全国集市大観』所収の3,633カ所の自由市場(全国7万余の自由市場のうち、中・大規模の市を抽出したもの)について、その各種属性をコード化しデータベースとして大型電算機にインプットし、それをもとに各種の統計量を算出し、また多数のクロス集計表を作成して、分析に供した。その結果明らかになったことは、以下の通りである。 (1)自由市場の大部分は、現在では「〜市場」と呼ばれ、「〜集」「〜場」「〜墟」といった地域差を伴う伝統的呼称法はほとんど用いられない。(2)自由市場は、「市」「県域」「鎮」「郷」の各階層の集落に立地しているが、抽出された市場に関する限りでは、「鎮」に立地するものが最も多い。(3)自由市場の大部分は「綜合市場」であり、一部が「専業市場」、ごく一部が「卸売市場」である。(4)抽出された市場のうち、約4割が毎日市、約6割が定期市で、定期市の周期は旬によるものが多いが、一部では十二支や週の周期によるものが見られる。(5)自由市場の1日当り平均参加者数は約14,000人、売上額は平均約52,000元と、かなり活発である。(6)自由市場の売り手の約17%は、他地域から来る客商である。(7)自由市場の敷地面積は平均11,600m^2余、建築物の面積は平均3,300m^2余、上屋が840m^2、屋台が917m^2、陳列台が286m^2(それぞれ平均で)である。(8)主要な取引商品は、農産物と工業製品両方にまたがる市が最も多く(48%)、次いで農産物のみ(44%)、工業製品のみ(8%)の市である。主要な移出商品、移入商品についても、同様な傾向が見られる。(9)自由市場の大部分は幹線道路に沿って立地しており、一部は鉄路や水路の便をも有している。 なお、次年度における分析の準備のため、本年度中に省別の統計額を収集し、地方別の自由市場に関するデータを入取した。
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Research Products
(1 results)