1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680243
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高阪 宏行 日本大学, 文理学部, 教授 (60092516)
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Keywords | 地理情報システム / 空間的決定支援システム / 立地論 / 空間的相互作用モデル / スプライン |
Research Abstract |
本研究の目的は,小売立地に対する空間的決定支援システム(SDSS)がいかに構築されるかを考察するとともに,その応用の可能性を探ることにある。SDSSを駆動するシステムとしては,地理情報システム(GIS)が利用された。GISは,一般に,ラスター型GISとベクトル型GISに分けられる。ラスター型GISのソフトを利用したシステムとして,MLDSSとよばれるSDSSが開発された。このシステムは3つのモジュールから成り立っている。第1のモジュールは,モニター化モジュールで,小売商圏の現状を3次元カラー立体図でモニター上に表示する。3次元立体図の表示ソフトとしては,IDRISIとSURFERを利用した.第2のモジュールは,最適立地分析モジュールで,空間的相互作用モデルと最大勾配法を用いて,新規店がどこに立地するとより多くの顧客を集めることができるかを分析する.第3のモジュールは,インパクト分析モジュールであり,新規店の立地に伴う周辺の既存店への影響を測定する.MLDSSの特徴は,小売店と調査世帯を点で示し,それらの間の距離を直線で求めているが,商圏を3次元立体図で示すという新しい方法論が導入されている点にある。ベクトル型GISを利用したシステムでは,ARC/INFOをソフトとして用いた。このシステムの長所は,小売店や世帯を点ではなく多辺形として現実に近い形で表現でき,また,道路もその形態をその形態をグラフ理論的に入力できる点にある。したがって,このシステムは商業環境や商圏の現状をより詳しく表現できるのであるが,いくつかの問題点も明らかとなった。その主要なものは,入力が煩雑になることである。今後は,2つの型のシステムを比較検討し,それらの長所をどのように統合するかを考察する必要がある。
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