1993 Fiscal Year Annual Research Report
天空率と人工衛星データから推定される都市地表面のアルベドおよび温度との関係の解析
Project/Area Number |
04680246
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
中川 清隆 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70115252)
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Keywords | 都市気候 / 天空率 / 地表面アルベド / 衛星リモートセンシング |
Research Abstract |
前年度において、天空率を算定するためのシステムとLANDSAT/MSSデータから地表面アルベドを解析するシステムをパソコンEPSON 386G上に構築すると共に、衛星画像を収集した。最終年度である本年度においては、収集した衛星画像データと衛星飛来時の地上気象データを用いて、新潟県の上越市高田市街地における地表面アルベド分布を解析した。その結果、アルベド分布には都市構造に対応した地域差が存在することが明確になった。関川水系や高田城跡のお堀を含むメッシュのアルベドが最も小さくて10%を下回り、郊外に比べて市街地内部のアルベドが若干低い。市街地の中でも特に中央部を南北に走る中心業務地区に沿って相対的に低いアルベドが連なっており、市街地内部に点在する諸学校のグランドを含むメッシュは相対的に大きなアルベドを示す。 このアルベド分布と対応させる為に、撮影された全天空写真からの天空率算定をアルベド解析対象地域内の約150地点で実施し天空率分布図を作成した。その結果、天空率の分布は市街地の構造とよく対応しており、小さな天空率は市街地中心部に集中しており、郊外には比較的大きな天空率が分布していることが示された。 さらに地表面アルベドの分布と天空率の分布の比較を行い、両者の関係を検討した結果、都市中心部などの天空率の小さい地点ほど地表面アルベドが小さいという関係が実在することが初めて確認された。さらに、LANDSAT/TM赤外画像から天空率やアルベドが小さい地域が実際に相対的に高温であることも認められた。勿論、地表面アルベドは地表面の形状だけではなく、その材質や色、含有水分量などによっても変化するので、本研究の成果から直ちに地表面アルベドの天空率依存係数の様なものを割り出すのは早計であり、地表面形状以外の因子には大きな地域差の無い都市域での事例解析の蓄積が重要である。
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Research Products
(1 results)