1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680249
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三上 岳彦 東京都立大学, 理学部, 教授 (10114662)
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Keywords | 小氷期 / 気候変動 / 気候復元 |
Research Abstract |
小氷期後半(1771〜1870年)における日本の気候復元を目的として、今年度は以下の研究を行なった。 1.日記天候記録の収集 すでに収集済の天候記録に加えて、今年度は盛岡と京都の日記天候記録の収集を行なった。盛岡については、南部藩雑書(日記)から1841年以降の毎日の天候記録を、また京都については、杉浦家日記・速水家日記から1841年以降の毎日の天候記録を転記・収集した。 2.天候分布図の作成 1841〜1870年の夏季(6〜9月)における毎日の天候分布図(3660枚)を作成した。すでに収集済の天候データおよび歴史天候データベース(山梨大学吉村稔教授を代表とする古気候復元研究グループ作成中)に加えて、今年度新たに収集した盛岡と京都の天候データを用いた。 3.天候分布型の判定 1841〜1870年の夏季天候分布図(上記)をもとに、毎日の天候分布型の判定を行なった。判定方法は、三上(1988,1990)を用いて、客観的・定量的に行なった。 4.観測時代の天候・気象データの統計解析 上記の作業で得られた小氷期後半の天候記録から、気象観測データの得られない歴史時代の気温・降水量を復元するために、観測時代における月降水率と月平均気温との相関分析を行なった。その結果、月降水率と月平均気温との相関は8月が最も高く、次いで7月が高いことが明らかになった。また、地域別にみると、東北地方北部と関東・中部地方の相関が高いのに対して、西南日本の相関が低いことがわかった。これらの結果にもとずいて、適切な直接回帰式を求め、歴史時代の気温を推定する計画である。
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