1992 Fiscal Year Annual Research Report
三重鎖DNAに特異的に結合するヒト由来のタンパク質の生物学的役割
Project/Area Number |
04680255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木山 亮一 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (00240739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 道夫 東京大学応用微生物研究所, 教授 (00126004)
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Keywords | 三重鎖DNA / 結合タンパク質 / ポリプリン・ポリピリミジン / ビオチン |
Research Abstract |
高等動物ゲノムに高頻度に現われるポリプリン・ポリピリミジン配列のひとつのポリアデニン・ポリチミン配列はマグネシウムイオンの存在下において他のポリチミン鎖と三重鎖を形成することがしられており、生物学的意義が問われている。我々はこの疑問に答えるためヒトゲノムよりまずポリアデニン・ポリチミン配列の精製を試みた。その際我々は通常のDNAハイブリダイゼーションによる方法を採らず、三重鎖形成能によるDNAのスクリーニングの方法を新たに開発した。具体的には三番目の鎖となる34ヌクレオチドのポリチミン配列をビオチンで標識し、三重鎖形成反応後、三重鎖を形成したDNAのみアビジンをコートしたマグネティックビーズに吸着させ精製を行った。また用いるDNAにアダプターを結合し、PCRを用いて増幅する事によりこの操作を繰り返し使えるようにした。そしてこの課程を4〜5回繰り返すことによりヒトゲノムから三重鎖形成配列を約10^6倍に濃縮し、それを用いてライブラリーを作製した。その中のクローンの塩基配列を解析することにより全クローンの約80%がポリアデニン・ポリチミンの配列を有し、確かにこの方法により三重鎖形成能のあるDNA配列が濃縮されることが解った。またそのポリアデニン・ポリチミン配列の長さは15bp〜35bpであった。またいくつかは既知のレトロポゾンや反復配列のポリ(A)鎖であるが、未知の配列もいくつか得られ、これがどの様な配列の一部か現在解析を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] R.Kiyama: "Japanese Journal of Clinical Medicine" Triplex DNA for Therapentics. 50. 3117-3124 (1992)
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[Publications] 木山 亮一: "三重鎖DNAー応用的側面を中心にー" バイオインダストリー. 9. 570-577 (1992)
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[Publications] 木山 亮一: "三重鎖DNAとその結合蛋白質" 臨床検査. 36. 534-535 (1992)
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[Publications] 木山 亮一: "三重鎖DNAとその応用" 検査と技術.