1994 Fiscal Year Annual Research Report
三重鎖DNAに特異的に結合するヒト由来のタンパク質の生物学的役割
Project/Area Number |
04680255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木山 亮一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (00240739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 道夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00126004)
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Keywords | 三重鎖DNA / 結合タンパク質 / ポリプリン・ポリピリジン / ビオチン / 反復配列 / クローニング |
Research Abstract |
我々は三重鎖DNAに特異的に結合するタンパク質をヒト由来細胞より精製した。このタンパク質の生体内で果たす役割について知見を得るため次の段階としてこれの基質となるDNA配列をヒトのゲノムDNAより濃縮、精製する方法(Mg^<2+>依存三重鎖アフィニティ・キャプチャー法)を開発し、実際にゲノムDNAより三重鎖DNA形成配列をクローニングした。この方法はMg^<2+>の存在によって三重鎖を形成し、特定の二重鎖DNAを精製する方法である。まず第一段階として、最も研究が進んでいるポリ(dT)・ポリ(dA)・ポリ(dT)三重鎖を構成するポリ(dT)・ポリ(dA)配列を含むDNA断片を濃縮、クローニングし、これを報告した。また、このクローニングの際に見られたポリ(dT)・ポリ(dA)配列を持つプラスミドの大腸菌内での不安定性についても三重鎖形成による可能性について調べ別に報告した。さらに、次の段階として、ポリ(dG-dA)・ポリ(dG-dA)・ポリ(dC-dT)三重鎖を形成するポリ(dG-dA)・ポリ(dC-dT)配列のクローニングを同様に行なった。得られたいくつかの配列についてヒト個体間での多型を調べたところ非常に顕著な多型を示し、ゲノムDNA上でこのような配列が比較的不安定であることが確認された。また、直腸がんなどではこのような配列が不安定であることが知られているが、いくつかのがん組織を調べたところ、大腸がんにおいて正常組織と異なる長さを示す例が見つかった。現在、これらの知見をまとめた論文を投稿(in press)している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kiyama,R.and Oishi,M.: "Protection of DNA sequences by triplex-bridge formation." Nuc.Acids Res.(in press). (1994)
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[Publications] Nishikawa,N.et al.: "Construction of a human genomic of clones containing poly(dG-dA)・poly(dT-dC)tracts by Mg^<2+> dependent triplex affinity capture." J.Biol.Chem.(in press). (1994)
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[Publications] Kiyama,R.et al.: "Enrichment of human DNAs that flank poly(dA)・poly(dT)trancts by triplex DNA formation" J.Mol.Biol.237. 193-200 (1994)
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[Publications] Kiyama,R.et al.: "A differential cloning proecedure for rearranged and altered genomic DNA based on in-gel competitive reassociation." Adavances Biophys.31. 123-133 (1994)
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[Publications] Wada-Kiyama,T.et al.: "Periodicity of DNA bend sites in the human -globin gene region:Possibility of seguence-directed nucleosome phasing." J.Biol.Chem.269. 22238-22244 (1994)
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[Publications] Kiyama.R.and Oishi,M.: "Instability of plasmid DNA maintenance caused by transcription of poly(dT)-containing seguences in Escherichia coli." Gene. (in press). (1994)
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[Publications] 西川直子.木山亮一: "検査と技術「三重鎖DNAとその応用」" 西川直子.木山亮一, 3 (1993)
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[Publications] 木山亮一: "日本臨床「三重鎖DNAの医学的応用」" 木山亮一, 8 (1992)