1992 Fiscal Year Annual Research Report
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04680269
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒田 敏昭 大阪大学, 理学部, 助手 (70151165)
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Keywords | 筋収縮 / アクチン / ミオシン / X線結晶解析 / X線溶液散乱 / 電子顕微鏡 / 分子運動 / 蛋白質結合構造 |
Research Abstract |
G-アクチンは二価性試薬m-maleimidobenzoic acid N-hydroxysuccinimide ester(MBS)で処理すると単量体のまま、ミオシン頭部当り2モル結合する。結合部位構造を検索するため、頭部SIのトリプシン切断部位へのMBS-アクチン結合の影響を調べた。アクチン/S1比約1では25K/50K/切断が保護され、2では25K/50Kと50K/20Kの両方が保護された。保護率の加算値はアクチンのミオシン頭部への結合度とよく一致した。このことは1番目の結合が25K/50K切断部位でおこり、2番目が50K/20Kでおこることを示唆する。25K/50Kと50K/20Kの両切断部位への結合はATP存在下でかなり弱くなった。F-アクチンの結合によっても両方の切断が保護され、これら2つのアクチン結合部位がF-アクチンとの結合にも関与すると考えられる。MBS反応を停止しないでMBS-アクチンとS1やHMMを混合すると、180K架橋物ができる。ATP存在下では見かけ上180Kと140Kができ、140KはSH1修飾S1では形成されないのでS1のSH1残基とアクチンとの架橋と思われる。F-アクチンとS1についても同様の架橋物ができた。ATP非存下でMBS-アクチン/ミオシン頭部比2で架橋したHMM分子を電顕観察すると、頭部のやや先端すなわち頭部-ロッド接合部から14.3nmにアクチン結合が見られた。結合アクチンの大きさは頭部長軸方向7-15nm、短軸方向7-10nmであることから、アクチンは頭部長軸方向に1-2個並んで結合していることを示唆する。現在ATP存在下の架橋物ならびにアクチン/頭部比1で架橋した架橋物さらにMBS-F-アクチン-HMM架橋物を脱重合させた標品を電顕観察している。末精密計測であるが結合部位はほぼ同じ位置であり、大きい結合部位移動がないことを示唆している。今後はX線溶液散乱、結晶化により結合立体構造の詳細を明かにしたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.A.Ko: "Differenciation and structural organization of chicken gizzard smooth muscle" Japanese Journal of Pharmacology. 58. 350P- (1992)
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[Publications] 荒田 敏昭: "難重合性アクチンモノマーを用いて検索したミオシン頭部のアクチン結合部位" 生化学. 64(8). 1016- (1992)
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[Publications] 荒田 敏昭: "難重合性アクチンモノマーを用いたミオシン頭部のアクチン結合部位の可視化" 生物物理. 32. S89- (1992)
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[Publications] A.Inoue: "Mechanism of actin mediated stimulation of the myosin ATPase reaction.In“Molecular Biology of the Myocardium"(ed.M.Tada)" Japan Sci.Soc.press and CRC Press, 9(222) (1992)