1993 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル反応としてのアクチン重合-細胞の形態変化におけるアクチンの重合の役割の研究
Project/Area Number |
04680275
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮田 英威 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (90229865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 一彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30124366)
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Keywords | リポソーム / アクチン / サイトカラシン / 細胞骨格 / 細胞運動 |
Research Abstract |
筋肉蛋白質アクチンを直径10mum位のリポソーム中に封入後重合させる系を発展させる試みを行った。最終目的は細胞の突起構造をアクチンがどうやって作るかを明らかにする事にある。そのために、突起状の構造がリポソームでもできるかを2つの方法で調べた。一つは球状リポソームに針型白金電極(20mumphi)で電場をかけ、リポソーム膜を引っぱり出して突起とし、その中へアクチンを重合させるというやり方で、もう一つは、アクチンをリポソーム内で重合させる方法を発展させて突起状構造を作るというものである。この場合、イオノホアを用いてリポソーム内部にK^+イオンを導入して、アクチンを重合させる方法と、従来の重合法(Caイオンを予め加えておく)で時間をより長くとる方法の2つを試みた。リポソームに電場をかけるとリポソームが電極付近から逃げ出す事がしばしば観察され、突起を出せたのはほんのわずかの例にすぎなかった(成功率100分の1)。ポリリジンへの吸着など適当な方法でリポソームを固定する必要がある。アクチン重合による方法の内、K^+イオン導入でアクチンを重合させると紡錘型でリジッドなリポソームが出現、その軸比が内部のアクチン濃度(50‐150muM)と共に増大した。紡錘型のできる機構は今の所不明である。従来の実験では大部分のリポソームが円盤形だった。この違いの原因は従来のアクチンが精製されていたのに対し、この実験のアクチンがアクチンフィラメント断片化因子を含んでいたためと考えられる。突起の形成にはアクチン断片化因子が必要かもしれない。一方、Caイオンで長時間(10時間、従来の10倍)重合させるとリポソームの形がひずんで三角形になることもあった以上より、アクチン-リポソームの系で細胞に似た突起構造を作るためにはアクチンの濃度を十分に上げフィラメントの数を増やし、断片化因子を加える事が必要だと結論した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hidetake MIYATA,et al.,: "“Morphological change of giant liposomes accompanied by polymerization of incapsulated actin and spontaneous formation of closed actin bundle"" Proc.Natl.Acad.Sci.(USA). 89. 11547-11551 (1992)
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[Publications] Hidetake MIYATA,et al.,: "“Morphological change of liposomes encapsulating polymerized actin caused by cytochalasin D."" J.Muscle Res.Cell Motil.,. 14. 367-367 (1992)
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[Publications] Kazuhiko KINOSITA Jr,et al.,: "“Orientation of actin monomers in moving actin filaments"" Plenum Press(New York),in press.
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[Publications] Hiroyuki HAKOZAKI,ET AL.,: "“Sliding Force Between a Small numver of HMM molecules and a single actin filament under potical tweezers"" J.Muscle Res.Cell Motil.14. 358-358 (1993)
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[Publications] Takayuki NISHIZAKA,et al.,: "“Measurement of sliding force generated on an actin filament under various concentrations of HMM in an IN VTTRO motile system"" J.Muscle Res.Cell Motil.14. 357-358 (1993)