1992 Fiscal Year Annual Research Report
多次元空間において学習者の軌跡を表現する方法の開発
Project/Area Number |
04680282
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
繁桝 算男 東京工業大学, 工学部, 教授 (90091701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 直 東京工業大学, 工学部, 助手 (70240752)
松田 稔樹 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60173845)
市川 雅教 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20168313)
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Keywords | 学習者モデル / 項目応答モデル / 自信度データ / 確率ネットワーク / マルコフ過程 |
Research Abstract |
本年度は学習者の知識状態を計量的に測定判断するためのモデルを提案し、そのための推定方法を開発した。学習者に対し効果的に教授介入を行うには、学習者の理解状態を的確に捉える必要がある。今年度は、このために、3つのモデルを提案した。最初の二つは、各テスト項目に対して、正答/誤答だけでなく、自信あり/なしというデータをとることを前提としている。 (1) モデル1 各テスト項目に対し、被験者が完全な知識を持つ場合、部分的な知識を持つ場合、無知の場合の3つの潜在的なクラスに分け、各々のクラスでは解答に至る過程が異なることを仮定し、それぞれについてモデル化する複合的なモデルである。潜在クラスに分類する場合の補助情報として、自信あり/なしデータを利用した。この研究は行動計量学会で発表し、論文にまとめ投稿した。 (2) モデル2 各被験者を表す潜在変数として、真の能力と自信度という2次元を仮定し、その間の相関係数を含めてモデル化し、得られたデータを解析する。2600名以上のデータを得て現在プログラムを開発中である。 (3) モデル3 被験者の内的過程を表すモデル、すなわち、学習者モデルを、確率ネットワークで表し、ネットワークにおける各ノード内の推移をマルコフ過程モデルとして表すモデルを提案し、実データに対し適用した。この研究は、行動計量学会、電気通信学会等で発表し、論文としてまとめ現在審査中である。 その他に、このような種類の研究を理論的にまとめ、真に役立つ教授的介入のための今後の方向性を示した(数理科学, 3月)。
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