1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680291
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
広部 千恵子 清泉女子大学, 文学部, 助教授 (40089280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部井 克己 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (50057311)
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Keywords | 文系女子大学 / 化学教育 / 生活科学 / 亜硝酸 / 色と染色 / 発色剤 / TLC / HPLC |
Research Abstract |
文系女子大学に入学して来る者の殆んどは、高等学校までの教育において化学に興味を持てなくなってしまった者である。大学入学に際して化学を含めて理系を希望する者も年々減少している。この問題の根本的解決には、小・中・高の理科教育に対する検討が必要であろうが、文系である本学では、将来理系に興味を持つ可能性のある子供を育てるであろうと思われる女子学生達に、化学への興味を少しでも多く抱いてもらおうとの意図のもとに教育を行っている。本年度はその一つとして色をテーマとして取りあげ、実験中心に説明を行った。PHの違いによる諸指示薬の色の変化を観察の後、ジアゾカップリングさせる相手をいろいろと変えて生成するアゾ色素の色の変化を観察させ、布上でカップリングを起させて、木綿を染色させ、さらにこのカップリング反応を利用した食品添加物の発色剤の検出を行い、亜硝酸の添加が何故食品衛生上問題になっているかを、発癌性などを例にとって説明した。一方、天然食品中にも、例えば野沢菜漬のように、発色剤添加ソーセージよりも多量の亜硝酸が検出されるものあり、亜硝酸のボツリヌス菌に対する効果などを考え合わせると、安易に無添加ハム・ソーセージがよいとの結論を出せないなどを学生が考えるようになった。この結果は日本化学会第65春季年会において発表した。また、昨年度より行っていた嗜好飲料中のカフェインの定性・定量分析実験については、論文が日本化学会の「化学と教育」に受理されている。 また、平成5年度実施予定のカフェインのHPLCによる分析、植物成分のHPLCによる分離の検討および来年度のメインテーマである錯化合物と色、その応用の草木染めについての検討を行っている。
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