1992 Fiscal Year Annual Research Report
幼児教育における環境教育の実践的指導内容の検討について
Project/Area Number |
04680296
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Research Institution | Seika Women's Junior College |
Principal Investigator |
田尻 由美子 精華女子短期大学, 講師 (50216967)
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Keywords | 幼児期 / 環境教育 / 環境認識 / 直接体験 / 親 / 保育者 / 保育現場 |
Research Abstract |
平成4年度は、子どもの環境認識形成に大きな影響を与える人的要因である親、保育者の環境保全に対する考えや行動についての調査、また、保育現場の環境教育に関する保育内容の実態についての調査や事例収集などを主な研究内容とした。子供は、日々の生活の中でかかわるすべてのものから影響を受けながら成長していき、しかも、直接体験を通して獲得していく。特に人的環境の影響は大きいと思われるので、その実態を知り、しかもよりよい方向性を考えることによって、幼児期の環境教育を考える際の第一歩とする。また、保育現場の実態を知り、問題点を明らかにすることは、幼児教育における環境教育の実践的指導内容の検討を行う際の一助となると思われる。これらの研究からわかった知見については、1992年環境科学シンポジウムにおいて口頭発表し、平成5年度の保育学会においても口頭発表の予定である。研究結果の概要は次の通りである。 親の環境認識を決定する要因は相互に関連がみられ、複雑に作用しあいながらある一定の方向に親の環境認識を決定していくと思われる。その要因の柱は(1)深い環境認識の形成(価格より、安全性を重要だと考えるなど)が必要で、これらの意識は実際の行動と強く関連する。(2)親の自然への親しみ行動・態度は、子どもの自然や小動物への親しみ行動とよく関連しており、親の影響が大きいことが言える。(3)親は、社会への帰属意識が強いほど社会に関わりを多く持とうとしたり、社会問題に関心を強く持っていたりする。環境保全のための行動とこのことは深い関連がある。などであるが、詳しくは平成5年度に環境教育学会で論文発表を行う。 保育者の環境教育に対する考えや保育内容の実態については、平成5年度に報告する。また、本研究に先立って、一般住民の環境保全行動・態度について調査したので、本学紀要に発表した。
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[Publications] 田尻 由美子,井村 秀文: "環境保全に対する住民の意識・行動の決定要因について" 精華女子短期大学紀要. 第19号. 59-71 (1992)
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[Publications] 田尻 由美子,井村 秀文: "幼児期における環境教育についてー幼児の環境意識形成に及ぼす親の生活行動に関する調査ー" 1992年会 環境科学シンポジウム講演要旨集. 119- (1992)