1992 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的実験例の再現と装置の復元ー江戸期の電気研究を中心にー
Project/Area Number |
04680299
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
東 徹 大阪府科学教育センター, 研修第一部, 主任研究員 (30132939)
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Keywords | 歴史的実験の再現 / 歴史的装置の復元 / 江戸時代の電気研究 |
Research Abstract |
本年度は、研究初年度であるので、江戸時代の科学技術に関する事項の調査と、関連する装置の製作に重点を置いた。調査の結果、江戸時代のわが国での電気の導入の歴史を教材化する上では、発電の方法により分類することが最も適当であることがわかった。また、たとえ電気を題材として取り上げるにしても、江戸時代の機械技術をもあわせて取り扱う方が、復元装置の教材化の上では有効であることがわかった。 復元装置の製作にあたっては、発電方法の違いにより3種類のものの製作に着手した。静電気により電気を得るタイプのものとしては、橋本宗吉が製作たエレキテルの復元模型を製作した。電池により電気を得る装置は、『舎密開宗』で述べられている亜鉛板と銅板を用いるものを製作した。誘導現象により電気を得るタイプのものとしては、佐久間象山が製作した「ガルバニセ・スコック・マシネ」と呼ばれている装置の復元模型を製作した。なお、橋本宗吉のエレキテルの復元装置の材料に関しては、一部、当時とは異なるものを用いているので、来年度には、もう少し当時のものに近ずくように、その改良を行ないたい。 また、江戸期の機械技術としては、時計を取り上げることにした。本年度は、この和時計との対比を行なう意味で、まず、アンクルと振子を使った時計の模型の製作を行なった。その結果の一部は、平成4年度理科教育学会近畿支部大会で発表した。来年度は、冠形脱進機と天符を備えたものを製作する予定である。
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