1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04680309
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
上 昭二 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (80030485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 和章 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (50174850)
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50144621)
岡部 毅 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (00105339)
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Keywords | 表現媒体 / 相互交流 / 「表現」形成 / 幼児 / 遊び |
Research Abstract |
本研究の目的は、表現媒体としての、幼児の「身体の働き」「言葉」「音」「描画」「製作」等の表現媒体の複合性に注目し、それらの相互関連性及び、年齢発達による「表現」形成を縦断的に明らかにすることである。このことを明らかにするために、幼児の表現活動は、自然な遊びの中で捉えられるのではないか、という考えから幼児のひとまとまりの生活の流れの中での一場面であるより自然な状況の設定の中で収録を試みた。昨年の実験に引き続き、収録実験室内で親子2組を観察した。観察対象児は昨年の継続で男児2名2組と今年度新たに女児4名2グループで、年齢的に近い2名の幼児とその母親を1グループとし、継続的に観察を行った。観察開始時点における年齢は、2歳5ケ月と2歳4ケ月(年長グループ)、1歳7ケ月と1歳2ケ月(年少グループ)で、観察回数は、4-5回であった。観察方法としては、2組の親子を遊戯室へ案内した後、自由に遊んでもらった。 1回の観察時間は、35分から40分間で、室内に設置した4台のビデオカメラによって録画した。母親に対しては、日常接しているように普通の様子で接してもらい、その他の要請は行わなかった。 研究の結果、まず、表現媒体としての使用頻度は、「音」の出るもの、積み木等の「製作」に関するものが多くみられた。また、幼児相互の関連は、年齢の低いグループは「言語」を介した関わりよりも、相手の行為をとおして交流を行っている、すなわち相手を「見る」「気にする」といった関わりはみられるものの、直接的に声をかける関わりはあまりみられなかった。年齢が高くなるにつれ、「言語」を介した直接的な関わりがみられた。しかし、年齢差の有意な差は2グループ間にまだ見られなかった。これは、現在も継続観察している結果の分析をまたなければならない。また、遊具における表現媒体の特性による幼児相互の関わりについても、追跡調査が必要と考え、現在収録を継続中である。
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