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1993 Fiscal Year Annual Research Report

仙の意味の再検討と道教における仙の位置付け

Research Project

Project/Area Number 04801003
Research InstitutionOsaka Prefecture University

Principal Investigator

大形 徹  大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (60152063)

Keywords荘子 / 真人 / 仙人 / 不老不死 / 化 / 僊化 / 尸解仙 / 始皇帝
Research Abstract

『荘子』のなかには真人・神人・至人といった言葉が登場する。真人という語は、のちに仙人とほぼ同義語として用いられる。『荘子』のなかで真人は「火に入っても焼けない。水に入っても濡れない」と肉体的にも超越的な人間としてあらわされている。方士の盧生はこの真人の話を秦の始皇帝に説き、始皇帝はこれにあこがれ真人になりたいとおもった。これが中国で神仙説が急激に流行する発端となった。本年はこの『荘子』の真人について詳細に考察した。その結果、『荘子』の説く真人は「死生を超越した人間」であり、たんなる肉体の不老不死を説く後世の仙人とは、むしろ正反対の人間であるという結論を得た。また『荘子』にみえる「化」という語が、『荘子』の説く死生観のキーワードとなっていることに着目し、この語についても考察かさねた。その結果「化」の語は本来、「死」を意味する語であり、逍遙遊篇にみえる巨大な魚が大鳥に「化」す話、斉物論篇にみえる人が夢に胡蝶に「化」す話などは、死生という変化を比喩する話ではないかという結論を得た。この「化」という語は、その後「僊化」という語などにみられるように、人間から仙人に変化する言葉として用いられるようになる。仙人説の展開の中で、真人や化の語がどのように使用されていくかについては、今後の課題としたい。上記とは別に『漢武帝外伝』に関して詳細に検討をすすめている。この書は尸解仙の事例が多くあらわれる。尸解仙は『抱朴子』などでは天仙・地仙につぐものとして軽視されているが、『漢武帝外伝』においては尸解仙を無視して仙人を説くことはできない。この問題にかんしても今後の検討課題としたい。二年間にわたって、葬制・死生観を手掛かりとして、仙人の問題を考察してきて、ある程度の成果は得られたと自負するものの、未解決の問題はあまりにも多い。今後、ひきつづき研究を進めたいと考えている。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 大形 徹: "尸解仙と古代の葬制とのかかわりについて" 中国研究集刊. 昃. 47-72 (1993)

  • [Publications] 大形 徹: "『荘子』にみえる「化」と「真人」について" 人文学論集. 12, (未刊). (1994)

URL: 

Published: 1995-03-23   Modified: 2016-04-21  

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