1993 Fiscal Year Annual Research Report
インド・チベット仏教の二諦説と修道論-中観仏教思想史の解明-
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04801004
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Research Institution | BUKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森山 清徹 佛教大学, 文学部, 助教授 (70131307)
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Keywords | 二諦 / 三性 / vastum〓tra / 実世俗 / 邪世俗 / ことば(〓abda) / 依他起性 / 遍計所執性 |
Research Abstract |
二諦説と三性説 中観派と唯識派との論争及び思推方法の相違は、二諦説と三性説、換言すれば「空」に対する解釈の相違となって現れている。その問題点を以下の点から検証した。 I.唯識派の〈実在(vastu)における言葉の空〉の見地、それに対し後期中観派は、言葉のみならず言葉を離れた事物自体(vastum〓tra)をも世俗と位置付け、空と見る。 II.唯識派の〈依他起性における遍計所執性の空〉の見解、それに対し中観派の遍計所執性を邪世俗、依他起性を実世俗とし、両者とも勝義としては空と見る見地。 実世俗の基準は、明瞭な顕現を有し、無分別であり、かつ因果効力(arghakriy〓-samartha)に関して整合性を有することである。(二依他起性) 邪世俗とは、逆に分別に基づき、因果効力に関して整合性を有さないもの(=遍計所執性)である。 この実、邪世俗の設定はJ〓〓nagarbhaの『二諦論』8,12偈、〓〓ntaraksitaの『史観荘厳論』64偈などに見られる【.encircled1.】凡夫の常識としての“世俗"である。他方、【.encircled1.】ヨーガ行者が止観の修習による吟味検証を通じ判定する“世俗"である。これは『中観荘厳論』91偈やKamala〓ilaの修習次第に見られるものである。これにも実・邪世俗が設けられると考えられる。【.encircled1.】の凡夫の世俗(実・邪)と【.encircled2.】の唯心世俗説はレヴェルの異なる世俗である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森山清徹: "後期中観派と形象真実論・形象虚偽論" 印度学仏教学研究. 41-1. (102)-(108) (1992)
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[Publications] 森山清徹: "後期中観派と形象真実論及び形象虚偽論-形象(〓k〓ra)と三性説" 印度学仏教学研究. 42-1. (92)-(98) (1993)
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[Publications] 森山清徹: "中観派と唯識派の空、二諦、三性説を巡る論争" 仏教大学文学部論集. 78. 33-54 (1994)
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[Publications] 森山清徹: "ツォンカパによる中観,唯識思想の分析" 南都仏教. (1994)
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[Publications] 森山清徹: "ツォンカパの無我,無明論-スヴァータントリカ及び瑜加行中観派批判" 仏教論叢. 38. (1994)
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[Publications] 森山清徹: "後期中観派と形象真実論・形象虚偽論-〓〓kyabudothiとの論争と修道論-" 原始仏教と大乗仏教下. 169-205 (1993)