1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04801006
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Research Institution | Tokai Gakuen Women’s College |
Principal Investigator |
春日井 真英 東海学園女子短期大学, 教養教職学科, 助教授 (60194750)
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Keywords | 民俗方位 / 基準方位 / 冬至 / 夏至 |
Research Abstract |
本研究の目的は東西南北という基準方位の他に、これとは異なった民俗方位が存在するのではないかと言う仮定を裏付けるためのものである。そしてこの仮定の基に、どのような方位が存在するかを調査した。この調査は集落の神社の面している向きの方位を求めるところから始められ、神社がどの方角に面しているかを調べて行った。 この調査はある意味において、「神社は正確に南面したり、東または西に面しているところは少ない」 と言う仮定がどのように裏付けられるかでもあった。 調査では、二万五千分の一の地図をたよりに神社を訪ねたわけだが、どの地域を選び、どの神社を選ぶかが大きな問題となった。今回は天竜水系の下流域の一部と神通川水系の一部で資料を求めたわけだが、結果として正確に南に面する社は少なく、南西よりに面した社が多かった。それも南から西に30〜40度偏っていることがデータ的に見ることができる。これからすぐに何か答えを導き出すことはできない。なぜならば例えば、それは天竜水系、一地域だけの特徴かも知れない可能性を有するからであり、地域的に限定されるものかも知れない。しかし、西に偏るというところは興味深いものである。それは、冬至の頃の太陽の沈む位置を示しているのではないかと考えさせてくれる。また、このことを考えるためにはその地域の地勢の分析が必要になってくる。例えば、社の前に立つとその正面に谷、あるいは山と山の重なり会って生じる目印のような物の存在とかである。しかもそれらが特徴的な性格を有していなくてはならないことになる。 天竜水系の方では北に偏った社の存在はいまのところ見いだすことができていない。しかし、飛騨一宮(水無神社)<式内社>のように夏至の頃の太陽の沈む方向ではないかと考えさせるものも少ない。地域的特性などの問題は今後の課題という事になる。
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