1992 Fiscal Year Annual Research Report
在宅と施設福祉サービスをめぐる「在宅介護支援センター」の機能と役割に関する研究ー社会福祉サービスの相談ー援助機能の検討
Project/Area Number |
04801023
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
六波羅 詩朗 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (50191705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 佐織 長野大学, 産業社会学部, 講師 (80198209)
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Keywords | 社会福祉 / 老人福祉 / 在宅介護 / 社会福祉サービス |
Research Abstract |
本研究は、今後全国的に展開される在宅介護センターの機能と役割を、設置間もない時点での位置づけを明らかにすることによって、今後の在宅福祉の「かなめ」となりうるものを先駆的に分析・研究しようとするものである。当初設定した研究の視点は、(1)在宅介護支援センターの相談援助内容の把握と具体的な事例の分析 (2)これらの相談内容及び相談への対応を具体的な相談記録カードを通じて数量的に分析すること (3)他の地域で設置されている支援センターについての聞き取りの実施である。 中間報告としては、当初の研究の視点との関りから、以下の点についてまとめておく。 第1に、松本市の支援センターの相談内容の数量的分析から明らかになったことは、相談内容として介護相談や施設・サービスの利用に関することが多いのが特徴である。相談内容に対する具体的対応では、看護婦やケースワーカーによる具体的な指導や援助、さらに介護機器の紹介や斡旋、情報の提供といったものが多い。従来の福祉事務所の相談とは異なり、日常的な介護に関する相談とそれへの対応の多いことがわかる。第2に、具体的な事例の分析では、一つの世帯が、介護状況の変化によって継続的に相談をしているケースや当初の相談内容では、介護機器の利用といった簡単な相談のように見られたケースでも、訪問してみると深刻な介護問題を抱えているようなケースが事例の分析から明らかにされた。このように、在宅介護支援センターの相談は、介護問題の潜在化していたケースを顕在化させるという機能を持っていることが研究で明らかにされている。第3に、聞き取りによって得られた結果では、電話による相談に対応するだけでなく、東京の先駆的な事例の場合、地域が比較的狭く福祉サービスが充実している場合はコーディネート的役割を通じた介護支援システムの機能を持っていることが明らかにされた。
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