1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04804012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20201379)
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Keywords | 変分的殻模型 / スキルム相互作用 |
Research Abstract |
変分的殻模型によって、極端な条件下にあるものも含めて、様々な原子核の構造を統一的に記述する研究を行ってきた。最も標準的なものの一つであるスキルム3型の相互作用に密度依存型近似を入れたものを用いて、^<11>Be原子核の中性子ハローや異常基底状態を変分的殻模型で再現してきた。同じ方法で、質量数が10前後の原子核のエネルギー準位、電気的四重極モーメントや磁気モーメントなどの様々な性質の記述にも成功してきた。中性子過剰核における核子間有効相互作用を調べるために、ハートリーフォック法に基づく計算を行った。その過程で、中性子スキンに関する物理も展開してきた。最近の成果としては、中性子過剰核での陽子分離エネルギーの驚くほど単純な中性子数依存性がある。さらに、TDA及びRPA法をハートリーフォック法に組み合わせて、中性子スキンを持った中性子過剰核でのE2巨大共鳴モードの研究も行い、有効相互作用への芯偏極を通じての影響についての研究を行っている。実験で得られるエネルギー準位などを非常に良く再現するには、スキルム相互作用は柔軟性などに欠けるので、より現象論的な簡単化された変分的殻模型を現在考案中であり、それによって平均場とペアリングの競合などを考えていく予定である。また、変分的殻模型では中性子ハローが安定核の励起状態で自然に現れるが、それらの波動関数を中性子直接捕獲によって実験的に検証できることを示した。
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[Publications] T.Otsuka,N.Fukunishi,H.Sagawa: "Structure of Exotic Neutron-Rich Nuclei" Phys.Rev.Lett.70. 1385-1388 (1993)
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[Publications] N.Fukunishi,T.Otsuka,I.Tanihata: "Neutron-skin and Proton-skin formations in exotic nuclei far from stability" Phy.Rev.C48. 1648-1655 (1993)