1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04804014
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
平山 実 富山大学, 理学部, 助教授 (80018986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 俊彦 富山工業高等専門学校, 教授 (20027353)
細野 忍 富山大学, 理学部, 助教授 (60212198)
浜本 伸治 富山大学, 理学部, 助教授 (80018994)
松本 賢一 富山大学, 理学部, 教授 (90019456)
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Keywords | quantum group / gauge field |
Research Abstract |
上記課題に関して得られた結果を、次頁最上段の論文として発表した。その後、数名の研究者がそれぞれの立場から、量子群に関するゲージ場の理論を論じた。しかし、ゲージ変換そのものの定義や非可換な群座標の微分法等に関して、筆者の定式化とは違いが見られる。典型的な差違は、例えば次の点に見られる。筆者の場合は量子群SUq(2)に附随するゲージ場は、SU(2)の場合と同様に、随伴表現即ち既約3次元表現に属する場として記述される。これに対して、綿村哲(東北大)氏は量子群的BRS変換を考察し、ゲージ場は可約4次元表現に属すると結論した。この違いは、両者に於いて用いられる微分法の違いに由来するものと思われる。現在、より説得力のある定式化を求めて研究を続けているところである。 上の課題から見れば副次的なものであるが、平成5年3月までの研究によって、以下で述べる事実を見出した。1964年に湯川秀樹氏は一組の振動子a、a^+からリー代数su(1、1)の生成子のひとつの表現を構成した。これを一般化して、[N、a]=-a、[N、a^+]=a^+、N^+=Nに従う演算子N、a、a^+からリー代数su(1、1)やそのq-変形量子代数suq(1、1)の任意の表現を得るにはどうすればよいかを考察した。このことが実際に可能であること、しかも、任意の既約表現が各々無限通りの仕方で構成できることが判明した。su(1、1)の表現はNを含むガンマ関数を仲介として得られる。これに対し、suq(1、1)の表現が、Nを独立変数として、partition functionあるいはbasic hypergeometric function等の数論的関数を仲介として構成されるのは興味深い。これらに関して現在論文作成中である。N組の振動子からsu(N)のあるクラスの表現が構成され得たことを思い出すと、上記のsu(1、1)とsuq(1、1)に関する結果もsu(N)やsuq(N)に一般化しうるものと期待される。
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[Publications] Minoru Hirayama: "Gauge Field Theory of the Quantum Group SUq(2)" Progress of Theoretical Physics. 88. 111-127 (1992)
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[Publications] Shinobu Hosono: "Physical States in Quantum Liouville Theory" Physics Letters B. 285. 35-41 (1992)
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[Publications] Shinobu Hosono: "Algebraic Definition of Topological W-Gravity" International Journal of Modern Physics. A7. 5193-5211 (1992)